研究課題
アネキシンはカルシウム・リン脂質結合タンパク質である。下等原核生物からヒトまで広く分布するが、細胞内の機能は殆ど知られていない。本研究ではMicroCALI法によって生きた細胞内でアネキシンを一過的に不活性化することで機能解析する。【学術的成果】蛍光アネキシンの細胞内動態観察に成功:細胞内のアネキシンは網目状の構造をとり、結合・解離を繰り返し激しく動いていた。仮足の先端に向かう動きが多く、速度は細胞の移動速度(約10μm/min)より速く、ときには60μm/minを超える速度で動くシグナルもあった。アネキシンは仮足先端部の細胞膜に集積する:アネキシンは細胞膜直下にベルト状に集積することがある。ベルトが消失した後、突出が起こる事が確認された。突出に必要な細胞膜の前駆体にアネキシンが結合している。以上の成果は次の通りに発表ずみである。1.第54回日本細胞生物学会年会(5月29日於岐阜)2.第39回日本生物物理学会年会(10月6日2001年於大阪)。【技術的成果】MicroCALI法の調整:あらかじめ染色された細胞群からなる多細胞系に応用し、本方法が正しく作動することを確認した。細胞性粘菌の特異的な領域が微小レーザー光線によって1秒以内に破壊された。ビームサイズは適切であり、光源のエネルギーと波長を適正な値に調整すれは蛋白質レベルで使用できる。アネキシン結合タンパク質の探索:アネキシンは他の蛋白と協同して機能する可能性が高い。免疫沈降を行うと、分子量116kDと87kDの蛋白質がアネキシンと共沈した。west-western blottingによって、これらの蛋白はどちらもアネキシンに直接結合することがわかった。
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