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2000 年度 実績報告書

酵母の自食作用に関わるAPG2とAPG15遺伝子のクローニングと遺伝子産物の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11680708
研究機関帝京科学大学

研究代表者

大隅 萬里子  帝京科学大学, 理工学部, 教授 (40168927)

キーワードSaccharomyces cerevisiae / オートファジー / 遺伝子クローニング
研究概要

酵母の自食作用というダイナミックな膜動態システムには多くのAPG遺伝子産物が関与している。本研究はまだクローニングされていないAPG2とAPG15遺伝子を酵母の染色体バンクから単離し、解析することを目的とした。しかしこの研究開始直後に研究協力を行っている細胞内エネルギー変換研究室(基生研)で、APG2遺伝子をクローニングし解析をすすめた。そこでAPG15遺伝子に焦点を絞り、この変異株の胞子形成能の回復を指標としてクローニングし、第十三番染色体のYMR159CというORFがAPG15であることを明らかにしたが、このORFはすでに水島等によってAPG12をベイトとしたTwo-Hybrid法により取られたAPG16として報告されていた。apg16遺伝子破壊株がapg15変異株を相補したという結果から16番目のAPG遺伝子と命名されたが、この矛盾した結果を再検討するために、apg15-1変異株のシークエンス、および相補性の再確認実験を行った。YMR159Cを含む約1、500塩基のシークエンスによりapg15-1変異はAPG16に生じたオーカー変異であることが明らかになった。しかしapg16遺伝子破壊株とapg15-1変異株の二倍体はPMSF存在下で液胞にオートファジックボディを蓄積し、成熟型アミノペプチダーセIを生成し、自食作用の回復を示した。二倍体を胞子形成させ四分子解析を行ったところ、そのApg+:Apg-の分離比はメンデル遺伝で説明出来ないことが明らかとなった。その後の解析からapg16遺伝子破壊株/apg15変異株の二倍体が示すApg+の表現型はapg16遺伝子破壊株を作成した酵母株の細胞質性のサプレッサーによるものであることが明らかとなった。さらにapg15-1は既知のオムニポテントサプレッサーによっても抑制される特異な変異であった。現在このサプレッサーの性状、遺伝的挙動などを解析しており、apg15-1変異株が効率よく相補される現象を解析している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Ichimura, et.al.: "A ubiquitin-like system mediates protein lipidation"Nature. 408,6811. 488-492 (2000)

  • [文献書誌] T.Kirisako, et.al.: "The Reversible Modification Regulates the Membrane-Binding State of Apg8/Aut7 Essential for Autophagy and the Cytoplasm to Vacuole Targeting Pathway"The Journal of Cell Biology. 151,2. 263-275 (2000)

  • [文献書誌] Y.Kamada, et.al.: "Tor-mediated Induction of Autophagy Via an Apg1 Protein Kinase Complex"The Journal of Cell Biology. 150,6. 1507-1513 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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