研究概要 |
本年度は以下の研究を行った. 1.インテグリンα2β1の活性化機構の解析 各種血小板阻害剤のインテグリンα2β1活性化に対する作用を解析し、血小板のインテグリンα2β1は血小板の活性化の結果放出されるADPによって主に活性化されることを示した.またADPとトロンビンで活性化された血小板ではコラーゲンとの結合反応のKdが大きく異なることを見出し,二つの刺激剤によって活性化されたインテグリンα2β1の状態が異なることを示した.J.Biol.Chem.275,8016(2000) 更にADPレセプターに対する阻害剤を用い、血小板の二つのADPレセプター、P2Y1とP2T、の両者がインテグリンの活性化に関与することおよび細胞内Caの放出は直接的にはインテグリン活性化に関係していないことを示した.Eur.J.Biochem.投稿中 2.血小板粘着反応へのインテグリンα2β1の関与 流血下におけるコラーゲン表面への血小板粘着反応に対するインテグリンα2β1の活性化の関与を解析し、活性化インテグリンα2β1が血小板のコラーゲン表面への固定化に関与していることを示した.Thromb.Haemostas.83,769(2000) またThrombospondinの血小板粘着反応への関与を解析した.Thromb.Res.印刷中 3.GPVIのクローニング 血小板のもう一つのコラーゲンレセプターであるGPVIのクローニングに成功し,その一次構造を明らかにすることが出来た.Thromb.Res.98,301(2000)
|