ヒトデ卵成熟過程において、MAPKの標的分子となるDNA複製を抑制する因子(このような因子を仮にMAP kinase-dependent DNA replication inhibitor;MDIと呼ぶ)の検索を試み、ヒトデ卵にMAPKの下流で機能する蛋白質キナーゼであるp90RSKを同定した。ヒトデ卵からp90RSKのcDNAをクローン化し、その抗体を作成しているところである。この抗体ができたら、p90RSKの卵成熟過程での挙動を調べたい。 また、生化学的方法と平行して、行う予定であった、遺伝学的方法にかんしては、ヒトデ卵由来のcDNAをλgtllに組込み、発現ライブラリーを作成した。現在p90RSKの恒常活性型の蛋白質を大量に調製することを試みており、p90RSKの酵素が調製できれば、これを用いて発現ライブラリーをスクリーニングする予定である。
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