• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

ゼブラフィシュの網膜特異的atonal遺伝子の機能と発現調節の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11680729
研究機関理化学研究所

研究代表者

政井 一郎  理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, 研究員 (50242087)

研究分担者 岡本 仁  理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, チームリーダー(研究職) (40183769)
キーワードゼブラフィシュ / 網膜 / 神経細胞分化 / atonal
研究概要

脊椎動物の網膜における神経細胞分化の誘導機構を明らかにする目的で、ゼブラフィッシュのatonal遺伝子であるath5に着目して研究をおこなった。ath5遺伝子はbasic helix-loop-helixをもつ転写因子をコードし、網膜での神経細胞において特異的に発現する。ath5発現細胞は、すべての種類の網膜神経細胞に分化することから、その発現は、網膜での神経細胞分化を表わしている。
我々は、平成11年度から、ath5の発現を指標に、その誘導のメカニズムに関して研究を行った。ath5の発現は、網膜の鼻側領域から始まり、耳側に向けて、波のように広がっていく。このことは、脊椎動物の網膜においても、神経細胞分化は一部の領域から局所的に始まり、全体へ向かって進んでいくことを示している。我々の行った組織の除去実験や移植実験から、網膜鼻側でのath5の発現は、鼻側領域に隣接する眼柄領域からのシグナルで開始されることが明らかになった。また、網膜耳側でのath5の発現は、鼻側の発現の有無に依存することから、ath5発現を誘導するシグナルが隣の領域に作用して、神経細胞分化を開始させるとともに、ath5発現誘導シグナルをおこすメカニズムが存在することを示唆している。このリレー機構によって、ath5の発現は鼻側から耳側へ伝搬すると考えられる。
このような神経細胞分化の伝搬機構は、ショウジョウバエの眼においても観察され、分子機構としてHedgehog(Hh)が中心的なシグナル分子として働いていることが明らかになっている。我々の研究は、分化の伝搬に関して、脊椎動物とショウジョウバエの間での相同性を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masai,I.,Stemple,D.L.,Okamoto,H.,Wilson,S.W.: "Midline signals regulate retinal neurogenesis in zebrafish"Neuron. 27. 251-263 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi