研究課題/領域番号 |
11680736
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
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研究分担者 |
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (00183715)
熊西 敏郎 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
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キーワード | Polycomb-group gene / Sfmbt / mbt repeats |
研究概要 |
ポリコーム遺伝子群(PcG)は、体の前後軸の決定に重要な働きをするHox遺伝子群の発現を制御するなど、動物の発生過程で非常に重要な働きをすることが知られている。我々は、PcGに属すると考えられる新規の哺乳動物遺伝子を単離し、解析を行った。この遺伝子産物は、DrosophilaのScm(Sex comb on midleg)遺伝子産物と構造上の類似性があったため、SCML1(Scm-like 1)という仮の名を付けていたが、論文投稿時点でその名称が他の遺伝子に使われていたために、我々は遺伝子名をSfmbt(Scm-related gene containing four mbt domains)に変更することにした。 これまでに、ラット、マウス及びヒトの脳からSfmbt cDNAを単離して構造解析を行い、SfmbtがDrosophilaで脳腫瘍を引き起こすl(3)mbt(lethal(3)malignant brain tumor)遺伝子で報告されたmbt repeatsを4回繰り返して持つという、他の遺伝子にはない特徴を持っていることを明らかにした。また、マウス遺伝子DNAをクローン化して構造解析を行うと共に、マウスとヒトのSfmbt遺伝子の染色体局在を明らかにした。mRNA発現解析については、ラット、マウス、ヒトの各種臓器、及び各種のヒト培養細胞について解析を行った。(これらの内のラットとマウスの研究成果については、論文印刷中である。)さらに、Sfmbt遺伝子の機能を明らかにするためにノックアウトマウスを作製するべく、tergeting vectorを作製しES細胞に導入してスクリーニングを行った結果、Sfmbt遺伝子の相同組換えES細胞を得ることができた。現在は、ヒト培養細胞の系を用いた機能解析実験にも取り組んでいる。
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