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1999 年度 実績報告書

細胞死誘発因子としてのカテプシンDの分子細胞生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 11680738
研究機関大阪大学

研究代表者

井佐原 京子  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303944)

研究分担者 亀高 諭  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10303950)
キーワードリソソーム / プロテアーゼ / カテプシンB / カテプシンD / 中枢神経系 / ミトコンドリア / セロイドーリポフスチン / ノックアウトマウス
研究概要

リソソームカテプシンBとDとで制御される細胞死の経路を分子レベルで解析するため、先ず、リソソームカテプシンDを欠損するマウスの中枢神経系を解析した。Dを欠損するマウスはこれまでの研究から約生後26日で、小腸の壊死と、リンパ球の減少により死に至る。本マウスを良く観察すると、痙攣発作と視覚異常を伴うことが分かった。さらに、消化管の症状を伴わず痙攣発作で死に至る例もあることに気付いた。そこで、中枢神経系を光顕、電顕、免疫組織細胞化学および生化学的に解析した。その結果、中枢神経系の多くの神経細胞にはリソソーム様構造物が蓄積し、その中には、オスミウム好性顆粒、曲線状膜様構造、指紋様構造がみられた。これらの構造は、蛍光顕微鏡でみると自家蛍光を呈し、免疫組織細胞化学的にミトコンドリアのATPsynthaseのsubunit cが蓄積し、セロイド-リポフスチンであることが明らかとなった.。生化学的には、subunit cを分解するリソソーム酵素であるtripeptidy peptidase-Iは活性と蛋白量とも上昇していた。これらの症状から、カテプシンD欠損マウスは神経性セロイド-リポフスチン蓄積症の症状を呈し、カテプシンDはこの疾患の原因遺伝子の一つであることが予想された。さらに、カテプシンDは神経系で必須のプロテアーゼであることが明らかとなった。現在、本マウスの中枢神経系、および本マウスより樹立した線維芽細胞でリソソームに特異的に蓄積する蛋白質の同定を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ohsawa Y.et al.: "Ultrastructural and immunohistochemical study of PC12 cells during apoptosis induced by serum deprivation with special refference to autophagy and Lysosomal cathepsins"Arch. Histol. Cytol.. 61・5. 395-403 (1998)

  • [文献書誌] Shibata M.et al.: "Participation of cathepsins B and D in apoptosis of PC12 cells following serum deprivation"Biochem, Biophys. Res. Commun.. 251・1. 199-203 (1998)

  • [文献書誌] Kanamori S.et al.: "Overexpression of cation-dependent mannose 6-phosphate receptor prevents cell death induced by serum deprivation in PC12 cells"Biochem, Biophys. Res. Commun.. 251・1. 204-208 (1998)

  • [文献書誌] Isahara K.et al.: "Regulation of a novel pathway for cell death by lysosomal aspartic and custeine proteinases"Neuroscience. 91・1. 233-249 (1999)

  • [文献書誌] 井佐原京子: "別冊・医学のあゆみ 神経細胞死制御"医歯薬出版株式会社. 5 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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