研究課題/領域番号 |
11680754
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
上村 敬一 信州大学, 医学部, 助教授 (80012756)
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研究分担者 |
原 厚 信州大学, 医学部, 講師 (70126697)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / スフィンゴ糖脂質 / ガングリオシド / 神経芽腫細胞 / 細胞周期 / 糖脂質 / フローサイトメトリー / 神経突起 |
研究概要 |
1.対数増殖期のマウス神経芽腫NS-20Y細胞にグルコシルセラミド合成酵素阻害剤PDMP(1-phenyl-2-decanoyl-amino-3-morpholino-1-propanol)を添加すると、その濃度に依存してS期細胞の減少とG0/G1期細胞の増加がみられる。NS-20Y細胞の主要な中性糖脂質であるlactosylceramide、globotetraosylceramide、主要なガングリオシドであるGM1、GD1aについて、PDMPと共に培地に添加(最終濃度60μM)してその効果をBrdUの取り込みで測定したところ、期待された細胞増殖の回復(S期細胞の増加)はいずれによっても起こらないことが分かった。 2.スフィンゴ糖脂質を単独で培地に添加した場合、GM1には明らかに細胞増殖に対する抑制効果が認められ、対照と比べ、60μMGM1の存在下でS期細胞の減少(約20%)とG0/G1期細胞の増加(約20%)を引き起こすことが分かった。Lactosylceramide、globotetraosylceramide、GD1a、gangliotetraosylceramide、および、調べたその他のスフィンゴ糖脂質には細胞周期に対する効果はみられなかった。 3.Ca^<2+>の細胞内への流入についてフローサイトメトリー検討したが、ガングリオシドGM1の示す細胞周期への効果と細胞内Ca^<2+>濃度の間には関連性が認められなかった。 4.D-threo-PDMPと種々のその立体異性体、関連誘導体について、NS-20Y細胞の細胞周期に対して及ぼす効果をフローサイトメトリーにより比較検討した。明白なS期細胞の減少とG0/G1期細胞の増加は、D-threo-PDMPの添加によってのみ生じた。この時、細胞表面GM1は著しく減少していることがFITC-cholera toxin B subunitの結合により確認された。
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