研究課題/領域番号 |
11680758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
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研究分担者 |
笠原 二郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10295131)
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | アストロサイト / 遺伝子発現 / インスリン分泌反応 / NG108-15細胞 / カルモデュリンキナーゼII / シナプシンI / 脳由来神経栄養因子 / MIN6細胞 / MIN6 cells |
研究概要 |
カルシウム/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMキナーゼII)には4種類のサブユニットの遺伝子が存在する。さらに、それぞれのサブユニットには可変領域のスプライシングの違いにより複数のアイソフォームが存在する。我々は免疫学的手法に加えて、分子生物学的手法や細胞生物学的手法を用いて、脳組織や培養細胞株に存在するCaMキナーゼIIのアイソフォームを同定し、それぞれのアイソフォームの生理作用を多角的に検討した。1.脳組織に存在するアイソフォームについては、1)デルタサブユニットに対する抗体を作製し、小脳の顆粒細胞の核内にデルタ3が存在することを見いだした。2)神経細胞の核内に存在するアルファBとデルタ3をNG108-15細胞に過剰発現させ、脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現について検討した。酵素の過剰発現によりBDNFのmRNAと蛋白質の発現が増加した。さらに、ルシフェラーゼをレポーター酵素として、プロモーター解析を行った。2.培養アストロサイトやNG108-15細胞については、存在するアイソフォームをmRNAと蛋白質レベルで全て同定し、デルタ2が主要なアイソフォームであることを見いだした。これらの細胞内ではデルタ2は主にゴルジ体に局在した。3.マウスインスリノーマ細胞であるMIN6細胞については、インスリン分泌反応との関連で検討した。1)MIN6細胞の主要なアイソフォームはベータ′eとデルタ2であった。2)両アイソフォームを過剰発現させた後、トルブタマイドや高濃度グルコース処理によるインスリン分泌反応について検討した。酵素の過剰発現により、インスリン分泌反応が増強された。3)CaMキナーゼIIの基質であるシナプシンIの燐酸化反応もインスリン分泌反応と同様に増強された。これらの研究結果は、CaMキナーゼIIの多様性とその生理的意義を理解する上で極めて有用な知見であると考えられる。
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