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1999 年度 実績報告書

活性化プロテインキナーゼCによる伝達物質放出増強の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 11680762
研究機関上智大学

研究代表者

今泉 美佳  上智大学, 生命科学研究所, 助手 (40201941)

研究分担者 前川 昌平  神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40173695)
笹川 展幸  上智大学, 理工学部, 助教授 (20187107)
熊倉 鴻之助  上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
キーワード伝達物質放出 / 開口放出 / RACK1 / プロテインキナーゼC / クロマフィン細胞 / F-アクチン
研究概要

活性化PKCの伝達物質放出増強の分子機構を明らかにするために、活性化PKCの細胞内受容体であるRACK1の役割に注目し,副腎髄質クロマフィン細胞を用いて以下の実験を行った。
1)免疫組織化学実験:RACK1は主に細胞膜直下に局在しており,F-actinと同じ局在を示した。クロマフィン細胞にはPKCα,β,ε,ζ,が存在しており,静止時には細胞質に局在している。TPAによりPKCを活性化させた細胞ではRACK1結合部位であるC2領域を持つPKCα,βだけが細胞膜直下へ移行し,RACK1と同じ局在を示した。Micalolide B(MLB)処理を行い,細胞内F-actinをすべてmonomerに解離させた場合,細胞膜直下のRACK1の消失が観察され,PKCα,βの移行が見られない。一方,F-actinを短いfilamentに切断するCytochalasin D(CD)処理細胞では,RACK1は蛍光染色強度が減少するが,細胞膜直下に局在し,PKCα,βの移行が観察された。
2)免疫沈降実験:抗RACK1抗体による免疫沈降実験では,control細胞ではRACK1とともにactinが共沈し,TPA処理細胞では加えてPKCαとβが共沈した。また,RACK1が局在するTriton-insoluble fractionをMLB処理した場合actinとRACK1が共に遊離することから,RACK1がF-actinと結合していることを示唆した。以上の結果,RACK1は細胞膜直下のF-actinに結合しており,活性化PKCα,βのRACK1を介したF-actinへの結合が示唆された。
3)分泌測定実験:活性化PKCは開口放出におけるプライミング過程を増強している。この増強作用はPKCαとβの活性化が担っていることを特異的阻害剤,活性化剤を用いて明らかにした。また,MLBはTPAによる分泌増強作用を阻害し,一方,CDは影響を及ぼさなかった。以上の結果より,活性化PKCα,βのRACK1を介したF-actinへの結合が活性化PKCの伝達物質放出増強に重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 今泉美佳: "CALI法の開口分泌機構研究への応用"神経化学. 38(3). 323 (1999)

  • [文献書誌] Kumakura,K.et al.,: "Roles of synaptotagmin and inositol polyphosphates in the mechanism of exocytosis:The clamp hypothesis."Keio University Symposia for life Science and medicine,Neural Development.. Vol.2. 450-455 (1999)

  • [文献書誌] Ohara-Imaizumi,M.et al.: "Subcellular Localization of RACK1 in Adrenal Chromaffin Cells"Molecular and Cellular Biology of Catecholaminergic Systems(10th International Symposium on Chromaffin Cell Biology:Abstracts). 1999. (168)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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