研究課題/領域番号 |
11680763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
木内 祐二 昭和大学, 薬学部, 教授 (50204821)
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研究分担者 |
小山田 英人 昭和大学, 医学部, 助手 (50266160)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | ノルアドレナリントランスポーター / ノルアドレナリン再取り込み / Ca^<2+> / カルモジュリン依存性キナーゼII / 蛋白リン酸化 / 細胞内移動 / 発現調節 / PC12細胞 / Green Fluorescent Protein (GFP) |
研究概要 |
神経終末から放出されたモノアミンを再取り込みするモノアミントランスポーターは蛋白リン酸化酵素を介して機能が促進される可能性が示唆されている。そこで今回は、特にノルアドレナリントランスポーター(NAT)のCa^<2+>/カルモジュリン依存性キナーゼII(CaMキナーゼII)による蛋白リン酸化を介した調節機構の解明を試みた。 1.PC12細胞のNAT cDNA未同定部位を決定し、NATのNおよびC末端部に計5ケ所のCaMキナーゼIIによるリン酸化推測部位を認めた。C末端領域を含むペプチドのみ精製CaMキナーゼIIによりリン酸化された。 2.PC12細胞の神経突起および細胞体の細胞膜に限局したNAT様免疫活性はCaMKII阻害薬KN-93存在下あるいはCa^<2+>非存在下では不明瞭化した。また、蛍光蛋白GFPとNATの融合蛋白を導入発現させたPC12細胞でもKN93の存在下、あるいはCa^<2+>非存在下で融合蛋白の細胞膜への局在は不明瞭化した。 3.CaMキナーゼIIαを強制発現したPC12細胞のクローンでは、CaMキナーゼ活性とともにNA取り込みも著明に増加した。さらにこのクローンではNAT mRNA発現量の著明な増加とリン酸化CREB量の増加も認められた。また、CaMキナーゼII阻害薬KN93を添加して1-7日間培養すると、2日以降では取り込み能と発現量はいずれも有意に減少した。 以上よりCaMKII依存的なNAT機能促進の機序としてはNAT蛋白C末端部のCaMKIIによるリン酸化とともに、リン酸化によるNATの細胞膜上へのトランスロケーション増加が関与している可能性が視覚的にも示された。また、CaMKII強制発現クローンの結果より、CaMKIIは長期的にはNAT遺伝子の転写促進によりNA取り込みを促進的に調節している可能性が示唆された。
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