研究課題/領域番号 |
11680799
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
渡辺 和忠 財団法人 東京都老人総合研究所, 細胞認識部門, 室長 (70114717)
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研究分担者 |
細矢 博子 財団法人 東京都老人総合研究所, 細胞認識部門, 研究助手 (00158841)
小林 悟 財団法人 東京都老人総合研究所, 細胞認識部門, 研究員 (20100117)
武田 泰生 財団法人 東京都老人総合研究所, 細胞認識部門, 主任研究員 (60245462)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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キーワード | コンタクチン / NB-3 / 遺伝子変異マウス / 遺伝子発現 / 神経接着分子 |
研究概要 |
コンタクチン/F3サブグループに属する神経接着分子は神経系の発生過程において神経細胞の突起伸長、軸索束形成など重要な役割を担っている。本研究では、このサブグループに属する分子のNB-3の機能を明らかにするためにジーンターゲティング法を用いてNB-3遺伝子欠損マウスを作製し、解析を行う。本年度はこの目的のために、NB-3遺伝子の一部をLacZ遺伝子に置換した遺伝子変異マウスを作製した。NB-3のプロモーター領域の下流にLacZ遺伝子を挿入し、NB-3の代わりにLacZが発現するようにした。得られたヘテロマウスを用いてLacZの発現を調べることにより、NB-3の脳における発現を解析した。その結果、大脳では発現のピークは生後1〜3週間目で、ノーザン・ブロットの結果と一致していた。また、NB-3の発現は副嗅球・梨状皮質・視床・下丘・皮質第5層・赤核・下オリーブ核、小脳などに局在していることが明らかになった。小脳では生後7日目には、第9、10葉のプルキンエ細胞層でNB-3の発現が見られたが、発生の進行に伴い小脳全体に広がっていき、顆粒細胞層でも発現がみられた。ホモのNB-3遺伝子変異マウスでは、明らかな形態学的な異常は現在のところ確認されていない。このことはNB-3が、脳の構造形成がほとんど終わった出生後に発現を始めるためと考えられた。現在、NB-3遺伝子欠損マウスの表現型について更に詳細な形態学的解析および行動解析を行っている。
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