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2001 年度 実績報告書

モルモットの発声に関与する中枢神経機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11680812
研究機関関西医科大学

研究代表者

久寳 真一  関西医科大学, 医学部, 講師 (60195394)

研究分担者 玄番 央恵  関西医科大学, 医学部, 教授 (00108987)
キーワード中脳水道周辺灰白質 / 音声コミュニュケーション / オピオイド / モルモット / 前帯状回 / 脳の生後発達 / 種特異的音声 / 情動
研究概要

幼弱モルモットにモルヒネを与えると、母親から引き離しても鳴かなくなるというPnaksepの報告以来、発声とオピオイドの関係は、しばしば議論されてきた。しかしオピオイドならば、どれも発声を減少させるというわけではなく、幼弱ラットではカッパ受容体アゴニストのU50488の投与により、発声が増加するという報告がある。そこでモルモットの発声におけるオピオイドの作用を系統的に調べてみた。また、従来の研究では、オピオイドを全身投与するため作用部位が不明瞭であった。脳幹にある中脳水道周辺灰白質(Periaqueductal gray : PAG)はサル、ネコ、ラット、モルモットにおいて種特異的な音声を惹起するのに必須の中枢とされているので,PAGにオピオイドを限局微量注入し発声への影響を調べた。成体モルモットでは前帯状回の腹側部を電気刺激することによる発声、幼弱モルモットでは母親から隔離した際の発声が、それぞれPAGにオピオイドを微量注入することでどの様に変化するか観察した。オピオイド受容体は現在、ミュー、デルタ、カッパ、ノシセプチンの4種類が報告されているが、それぞれに選択的なアゴニストとしてDAMGO、DPDPE、U50488、ノシセプチンを用いた。成体モルモットではミュー、ノシセプチン受容体アゴニストにより発声が著名に減少した。一方、幼弱モルモットではミュー受容体アゴニストのみならずデルタ受容体アゴニストによっても発声が著名に減少した。デルタ受容体アゴニストの抑制作用は生後2-3週で強く生後4-5週では抑制作用は減弱し、成体では抑制作用は認められなくなった。幼弱モルモットのノシセプチンの抑制効果は成体に比べて弱かった。これらの結果からオピオイト受容体の生後発達に由来する変化が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Kyuhou: "Projection from the perirhinal cortex to the frontal motor cortex in the rat"Brain Res.. (in press). (2002)

  • [文献書誌] 久寳 真一: "モルモットの発声に対するオピオイドの作用"日本音響学会聴覚研究会資料. 31. 195-201 (2001)

  • [文献書誌] Y.Amino: "Cerebello-thalamo-cortical projections to the posterior parietal cortex in the macaque monkey"Neurosci. Lett.. 309. 19-32 (2001)

  • [文献書誌] H.Gemba: "Monkey vocalization and cortical field potential"Abstract of 12th World Congress of the In ternaltional Society for Brain Electromagnetic Topography.. 12. 167 (2001)

  • [文献書誌] 玄番央恵: "サルおよびラットを用いた随意運動発現機序の研究"日本生理学雑誌. 63. 36 (2001)

  • [文献書誌] S.Kyuhou: "Perirhinal -frontal projection in the rat"Neurosci. Res. (Suppl.). 25(in press). (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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