研究課題/領域番号 |
11680824
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
古舘 専一 北里大学, 医学部, 助教授 (80095512)
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研究分担者 |
大石 正道 北里大学, 理学部, 助手 (40233027)
酒井 康弘 北里大学, 医学部, 助教授 (00050625)
松浦 信夫 北里大学, 医学部, 教授 (50002332)
大森 彬 三菱化学, 生命研究所・構造解析研究室, 主任研究員
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キーワード | rdw / 甲状腺機能低下症 / 侏儒症 / サイログロブリン / モデル動物 / ラット |
研究概要 |
甲状腺機能低下症ラットrdwは常染色体劣性の遺伝子座rdwに支配された侏儒症ミュータントラットである。これまでの研究から甲状腺機能障害(hypothyroid)が原因の侏儒症であることが示されている。本報告では、rdw遺伝子、病態関連タンパク質、疾患モデル動物としての有用性等について解析した。 遺伝子解析:rdwとBNラットよりバッククロスを作製し、rdw遺伝子座を第7染色体D7Rat19の下流7.6cM、D7Rat136の上流6.6cMの位置にマップした。hypothyroidを呈する遺伝病としてヒト、ウシ、マウスなどで遺伝性goiter病が報告され、その原因としてthyroglobulin(Tg)遺伝子の変異が報告されている。ラットTg(rTg)遺伝子座は詳細な位置は未詳ながら第7染色体に存在することが報告されていることから、rTg遺伝子座のマッピングを試みた結果、rdw遺伝子座と完全に一致した。更に、rTG cDNAの全塩基配列を調べたところ、rdwにおいて、G→Cの塩基置換が見つかり、その変異はアミノ酸レベルでもGly→Argの置換を伴っていた。以上の結果から、rdwではTg遺伝子に点突然変異が存在し、その変異がTgタンパクの輸送、糖付加、安定性などに影響を及ぼし、それがhypothyroidの原因となっていることが示唆された。タンパク質解析:rdw甲状腺で増加する未同定タンパク質を解析して、Protein Disulfide Homolog P5,Erp60(ER-60protease),Erp72(ER-72protease)であると同定した。疾患モデル動物としての有用性:甲状腺ホルモンの経胎盤と胎児の脳発達、麻酔覚醒遅延と薬物代謝、心臓機能解析、タンパク質合成とゴルジ体への移行、等々の研究における有用性が示された。
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