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1999 年度 実績報告書

外来遺伝子発現のための組換え蚊の樹立

研究課題

研究課題/領域番号 11680827
研究機関大分医科大学

研究代表者

江下 優樹  大分医科大学, 医学部, 助教授 (10082223)

研究分担者 松本 顕  九州大学, 大学教育研究センター, 助手 (40229539)
キーワードマリナー遺伝子 / ホーボ遺伝子 / 反復逆配列 / トランスポゾン / 組換え蚊 / 外来遺伝子の発現
研究概要

病原体と媒介蚊の親和性を分子レベルで解析する手法として、組換え蚊の開発を行っている。組換え蚊の作製に際しては、(1)トランスポゾンの選択、(2)遺伝子の導入法、(3)ベクターの構築、(4)発現個体の選択方法、(5)蚊のどの部位になにを発現させるか、などを考慮する必要がある。我々は、(1)と(2)について、蚊のゲノム中のマリナー遺伝子の有無、およびhobo遺伝子を蚊の卵に注入した際の孵化状況などを検討した。
1.マリナー遺伝子は、昆虫だけでなくヒドラ、線虫、カエル、人間など極めて多くの種で保存されているトランスポゾンである。mariner遺伝子の転移酵素の保存領域をprimerとして、蚊のゲノムDNAに対するPCR産物の有無を検討したところ、ヤブカで増幅産物が得られた。しかし、ハマダラカやアカイエカ類では認められなかった。マリナー遺伝子の5'と3'末端は反復逆配列(inversed terminal repeat:ITR)と呼ばれる回文構造の配列をしている。この両末端部分の保存領域をprimerとして、マリナー全長の増幅を試みたところ、ヤブカのみならず、ハマダラカの中にも増幅する蚊種が認められた。これらの結果から、ヤブカではトランスポゾンとしてマリナーが働いているが、増幅の認められた他の蚊種では、機能的にマリナーが働いていないことが推察される。
2.トランスポゾンの一種であるホーボ遺伝子のDNAおよびhelperであるtransposaseのDNA溶液の混合物を、90分経過後のヤカブ産下卵に注入して、その後の孵化率を観察した。その結果、注入処理した卵の内約39%が孵化した。ちなみに、対照区は70%の孵化率であった。今後の研究課題として、ベクターの構築と蚊体内での外来遺伝子の発現が検討される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Oda,T.,Uchida,K.,Mori,A.,Mine,M.,Eshita,Y.: "Effects of high temperature on the emergence and survival of adult Culex pipiens molestus and Culex pipiens quinquefasciatus in Japan"J.Amer.Mosq.Cont.Assoc.. 15・20. 153-156 (1999)

  • [文献書誌] 江下優樹、松本 顕: "伝播昆虫の制御:遺伝子工学を用いた病原体耐性蚊の開発"医学のあゆみ. 191・1. 98-103 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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