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2000 年度 実績報告書

外来遺伝子発現のための組換え蚊の樹立

研究課題

研究課題/領域番号 11680827
研究機関大分医科大学

研究代表者

江下 優樹  大分医科大学, 医学部, 助教授 (10082223)

研究分担者 松本 顕  九州大学, 大学教育研究センター, 助手 (40229539)
キーワードmariner / actin5C / EGFP / トランスポゾン / 組換え蚊 / 電気窄孔法 / 注入法
研究概要

デングウイルスと媒介蚊の親和性を分子レベルで解明するために、日本産蚊組換え体の開発を行っている。組換え蚊の作製に関連して、mariner[actin5C-EGFP]遺伝子を蚊ゲノムに挿入する方法として、電気窄孔法と注入法を検討した。供試蚊として、久留米産ヒトスジシマカおよびタイ国産ネッタイシマカを使用した。暗黒条件で30分以内に産下された卵を、その後室温に60分間湿潤条件で放置した後に実験に供した。また、供試したトランスポゾンは、mariner[actin5C-EGFP]DNAとhelper(mariner)DNAの混合液(injection buffer:5mM KCl,0.1mM Na-phosphate,pH6.8で希釈)を使用した。
1.電気窄孔法の検討
9cmシャーレ内のコの字型電極付チャンバー槽(0.5x0.7x高さ0.5cm)の中に、トランスポゾンDNA液5ulを加え、その槽内に所定時間経過後の蚊卵を沈めてパルスを発生させた。パルス装置(トキワサイエンス社:遺伝子導入装置、CUY21)を用いた予備実験の結果を考慮して電圧10あるいは5voltsの条件で実験を行った。その結果、電圧:5volts、パルス幅:30〜70mseconds、パルス回数:10回、トランスポゾンDNA液の実測抵抗値:0.83〜0.93kΩ(開始前)および0.70〜1.03kΩ(終了後)、実測電圧値:1volt、の条件でネッタイシマカ卵の孵化が認められた。しかしながら、ヒトスジシマカ卵の孵化は認められなかった。両蚊種で好適なパルス条件が異なることが推察された。
2.注入法の検討
トランスポゾンDNA液をヒトスジシマカ卵に注入して、その後の孵化状況を観察した。注入処理した卵では、いずれも孵化が観察されなかった。ネッタイシマカの卵を用いた際の孵化率は、別の実験で約30%であったことから、供試数の増やすことおよび、対照としてネッタイシマカを用いた並行実験を行う必要性が生じてきた。
3.今後の検討課題として、ヒトスジシマカ卵への注入実験の継続、および日本産蚊から得られたマリナー様トランスポゾンにactin5CとEGFPを組込むことを検討している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Oda,T.,Uchida,K.,Mori,A.,Mine,M.,Eshita,Y.: "Effects of high temperature on the emergence and survival of adult Culex pipiens molestus and Culex pipiens quinquefasciatus in Japan"J.Amer.Mosq.Cont.Assoc.. 15・20. 153-156 (1999)

  • [文献書誌] 江下優樹,松本顕: "伝播昆虫の制御:遺伝子工学を用いた病原体耐性蚊の開発"医学のあゆみ. 191・1. 98-103 (1999)

  • [文献書誌] 江下優樹: "研究最前線"大分医科大学学報. 78号. 18-20 (2000)

  • [文献書誌] Eshita,Y.: "Vector competence of Japanese mosquitoes against dengue viruses"SP World. No.29. 13-17 (2001)

  • [文献書誌] Takaoka,H.,Bain,O.,Uni,S.,Korenaga,M.,Tada,K.,Ichikawa,H.,Otsuka,Y.,and Eshita,Y.: "Human infection with an Onchocerca species from wild boars in Oita, Japan"Parasite. Vol.7(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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