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2001 年度 実績報告書

外来遺伝子発現のための組換え蚊の樹立

研究課題

研究課題/領域番号 11680827
研究機関大分医科大学

研究代表者

江下 優樹  大分医科大学, 医学部, 助教授 (10082223)

研究分担者 福田 昌子  大分医科大学, 医学部, 助手 (00156788)
松本 顕  九州大学, 大学院教育研究センター, 助手 (40229539)
キーワード日本産蚊 / mariner / transposase / IE1プロモーター / GFP / seamless cloning法 / SV40 / 転写終結シグナル
研究概要

デングウイルズと媒介蚊の親和性を分子レベルで解明するために、日本産蚊組換え体の開発を行っている。日本産蚊のmarinerを利用したtransformation vectorの構築を試みた。transformation vectorの条件として、1.marinerがゲノム内に挿入されるために必要な、末端反復配列(TIR)を備えていること、2.marinerのtransposaseの認識サイトを備えていること、3.ゲノム内への挿入後、安定に挿入が維持されるために、自身はtransposase活性を持たないこと、4.transformされた蚊が容易に判別できるようなマーカー形質を発現することの4点が挙げられる。今回は、蛍光顕微鏡下で非侵襲的に判別が可能である、オワンクラゲ由来の蛍光タンパクGFPを用いた。蚊の体内でも高効率にGFPが転写されるように、昆虫一般で普遍的な転写活性を持つとされるバキュロウィルスのIE1プロモーターの下流にGFPを連結したものを使用した。クローニングには、制限酵素サイト非依存的な連結が可能な、seamless cloning法を用いた。まず、IE1 promoterとGFPおよびその下流にSV40の転写終結シグナルを持つ一連の配列をPCRによってpIZT vector(Invitrogen)から増幅した。
また、日本産蚊のmarinerの全長配列をpCRII(Invitrogen)にクローニングしたものから、以下のprimersetを用いてmarinerの部分配列を増幅した。得られた断片は、末端反復配列(TIR)やtransposaseの認識に重要であると予測されるサイトは含んでいるが、marinerのtransposaseをコードする領域に欠失が生じるために、正常なtransposaseは産出されない。
続いて、これらの断片を5-methyl dNTP存在下で、もう一度PCR増幅し、得られた断片をDpnIにて制限切断した。これによってメチル化されていないPCR産物および、templateが消化される。さらにこれらをEam1104Iで切断した。制限断片同士をligationし、メチル化DNAを取り込むことができる大腸菌株XL10(Stratagene)でcloning後、適切なphasmidを持つ大腸菌を選別した。大腸菌を200ml培養し、plasmidを精製した。精製には、QuiagenのEndofree plasmid kitを用い、大腸菌由来のエンドトキシンをできるだけ排除して、蚊へのtransform効率を上昇させることをめざした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 江下優樹, 松本 顕: "伝播昆虫の制御:遣伝子工学を用いた病原体耐性蚊の開発"医学のあゆみ. 191・1. 98-103 (1999)

  • [文献書誌] Eshita, Y.: "Vector competence of Japanese mosquitoes against dengue viruses"SP World. No.29. 13-17 (2001)

  • [文献書誌] Takaoka, H..Bain, O., UnI, S., Korenaga, M., Tada.K..Ichikawa, H., Otsuka.Y., Eshita.Y.: "Human infection with Onchocerca dewittei japonica, a parasite from wild boar in Oita, Japan"Parasite. 8・3. 261-263 (2001)

  • [文献書誌] Uchida, K., Oda T., Matsuoka, H., Moribayashi, A., Ohmori, D., Eshita Y.: "Induction of oogenesis in mosquitoes (Diptera : Culicidae) by Infusion of the hemocoel with amino acids"J.Med.Entomol.. 38・4. 572-575 (2001)

  • [文献書誌] Uchida, K., Ohmori, D., Ueuo, T., Nishizuka, M., Eshita Y., et al.: "Preoviposition activation of cathepsin-like proteinases in degenerating ovarian follicles of the mosquito Culex piplens pallens"Developmental Biology. 237. 68-78 (2001)

  • [文献書誌] Oda, T., Eshita, Y., Uchida, K., Mine, M., Kurokawa, K., et al.: "Reproductive activity and survival of Culex pipiens pallens and Culex quinquefasciatus (Diptera : Culicidae) in Japan at high temperature"J.Med.Entomol.. 39・1. 185-190 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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