• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

病変の複雑性を考慮した動脈硬化血管壁内応力・ひずみ分布の実計測

研究課題

研究課題/領域番号 11680834
研究機関東北大学

研究代表者

松本 健郎  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30209639)

研究分担者 大橋 俊朗  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30270812)
佐藤 正明  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
キーワードバイオメカニクス / 動脈硬化 / 血管力学 / 内圧-外径試験 / 力学特性
研究概要

動脈硬化の発生・進展と力学的因子の関係を総合的に明らかにするためには,流れが内皮細胞に及ぼす影響だけでなく,血管壁内の応力・ひずみ分布を精密に知ることが必要不可欠である.そこで本研究では,家兎胸大動脈に実験的に動脈硬化を発症させ,その局所のひずみ状態を残留ひずみを考慮して詳細に知るために,組織標本から計測した局所の血管壁形状と加圧に伴う血管壁局所の変形を組合せて計測することを目標にして2年間の研究を進めてきた.2年目の本年度は,昨年度開発・確立した内圧負荷に伴う血管壁の局所変形を計測する実験装置ならびそれを用いた計測結果からの壁内局所ひずみ算出法を改良すると同時に,ヒト冠動脈に適用して,実際の動脈硬化血管におけるひずみ分布を計算した.即ち,昨年度開発した方法ではマーカ位置の計測精度が十分ではなかっため,血管表面に垂直に刺入した微小針の加圧に伴う動きを血管軸方向並びに側方から撮影し,実験終了後,針の血管表面に突出した長さを実体顕微鏡下で計測し,これらのデータを総合して針先端の3次元的位置を求める方法に変更した.1%コレステロール食を28〜31週間投与して動脈硬化様病変を発生させた家兎胸大動脈ならびに秋田大学医学部病理学教室の協力の下,剖検時に得られたヒト冠動脈の動脈硬化症例について上記方法により血管壁の円周方向伸びの場所による差を調べた.その結果,家兎胸大動脈では動脈硬化病変の面積割合が増加するに連れ,加圧に伴う血管円周方向のひずみ分布の不均一性が増大すること,ヒト冠動脈では病変の進展した場所ほど伸びにくいことなとが明らかとなった.動脈硬化病変内の応力ひずみ分布を明らかにするためには血管壁局所の変形を計測することが必要不可欠であることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Matsumoto T: "Smooth Muscle Cells Freshly Isolated from Rat Thoracic Aortas are Much Stiffer than Cultured Bovine Cells"JSME International Journal Series C. 43-4. 867-874 (2000)

  • [文献書誌] Ohashi T: "Surface Topography Measurement and Intracellular Stress Analysis of Cultured Endothelial Cells Exposed to Fluid Shear Stress"JSME International Journal Series C. 43-4. 780-786 (2000)

  • [文献書誌] Kato Y: "Development of a Simple Method to Construct Finite Element Models of Aortas from MRI Images and Its Application to Thoracic Aortic Aneurysn"JSME International Journal Series C. 43-4. 787-794 (2000)

  • [文献書誌] Sato M: "An Application of the Pipette Technique to the Measurement of Local Mechanical Properties of Aortic Walls"Human Biomechanics and Injury Prevention. 147-154 (2000)

  • [文献書誌] 加藤陽子: "家兎動脈硬化病変の組織像と局所弾性率の関係の定量的解析"脈管学. 41-1. 23-29 (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi