研究課題/領域番号 |
11680840
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
根尾 昌志 京都大学, 医学研究科, 助手 (80311736)
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研究分担者 |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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キーワード | 生体活性 / in situ hybridization / コラーゲン / オステオカルシン / オステオポンチン / オステオネクチン / リン酸三カルシウム / 組織適合性 |
研究概要 |
まず最初にラット骨髄掻爬後の骨形成における、I型コラーゲン(COL)、オステオカルシン(OC)、オステオネクチン(ON)、オステオポンチン(OP)の遺伝子発現をin situ hybridization法を用いて観察する方法を確立した。これらの遺伝子発現をラット脛骨骨髄掻爬後3、5、7、10日に観察し、これらの空間的、時間的発現が従来報告されているものと矛盾がないことを確認した。つまり、COLは活性化された前骨芽細胞、骨芽細胞に広く、強く発現され、OC、ONも骨芽細胞に認められた。OPは骨形成の最前線にのみ観察された。そしてこの結果を骨髄掻爬後に生体活性材料を埋入したときのコントロールとした。次にβ-リン酸三カルシウム(TCP)(150-300μm)の顆粒体をラット脛骨に骨髄掻爬後充填し、同様に各遺伝子の発現を経時的に観察した。骨形成はTCP充填部位の周囲から進行し、一部ではTCP表面で直接、一部ではTCPから離れた位置で起こっていた。骨芽形成の遺伝子発現はコントロールと大差無く、TCPが骨芽細胞による骨形成に明らかな促進や抑制を与えないことが示唆された。しかし、コントロールと違ってTCP顆粒表面にCOLを発現せずOPを発現する細胞が主に埋入後5、7日に見られた。これらは、マクロファージ系の細胞の可能性が強くTCPの異物反応と推察された。今後、この細胞が何かを確認すると共に、非生体活性の材料を埋入し上記の結果と比較して、何が生活活性と非生活活性を分けるのかを解析する予定である。
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