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1999 年度 実績報告書

温度応答性培養表面からの細胞および細胞シートの脱着速度の加速化

研究課題

研究課題/領域番号 11680848
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

大和 雅之  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40267117)

キーワード温度応答性 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 細胞脱着 / 細胞骨格 / 細胞内情報伝達 / 多孔性
研究概要

(1)短時間で細胞を脱着させる温度応答性培養床表面の創製:温度応答性培養皿からの非侵襲的な細胞脱着は、培養皿表面に固定化した温度応答性高分子(PIPAAm)が低音処理にともない親水性化して、細胞接着分子との相互作用を減少させることを必要とするため、培養皿表面に固定化した温度応答性高分子への水の供給の制御は重要である。これまでに作成した温度応答性培養皿は市販のポリスチレン製細胞培養皿上に固定化していたが、ポリスチレンは疎水性を示し、水分子の供給という観点からは最適ではないと考えられる。今回、この点に着目し、微小孔(直径1μm以下)より水分子が容易に侵入できる多孔性膜上に温度応答性高分子をグラフトした。PIPAAmのグラフト量が同程度であ、直径を同一にした従来型の培養皿に比べ、細胞や細胞シートをより早くより完全に脱着させることに成功した。また脱着の加速化の速度は、細胞シートの場合により顕著であった。原子間力顕微鏡を用いた解析から電子線照射によるPIPAAmのグラフトにより、多孔性膜の微小孔はすべて保たれていること、表面のラフネスが減少することが分かった。
(2)サイトカインによる細胞脱着速度の制御:これまでの研究で、低温処理により細胞が温度応答性培養床表面から脱着するには、ATPを消費して発生する細胞骨格に起因する収縮力が必要であることが明らかになっている。種々の因子により細胞骨格の再組織化に関与する情報伝達系を刺激することができるが、これらのうち、ATP、dbcAMP、各種細胞成長因子、カルシウムイオノフォアを検討した。いずれを用いても顕著な加速化を達成する条件は得られていないが、現在、低温処理温度、低温処理時間、低温処理と因子による刺激の時間間隔に注目して実験が進行中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Yamato: "Signal transduction and cytoskeletal reorganization are required in cell detachment from culture dishes grafted with a temperature-responsive polymer"J.Biomed. Mater. Res.. 44. 44-52 (1999)

  • [文献書誌] A.Kushida: "Decrease in culture temperature releases monolayer endothelial cell sheets together with deposited fibronectin matrix from temperature-responsive culture"J.Biomed. Mater. Res.. 45. 355-362 (1999)

  • [文献書誌] O.H.Kwon: "Rapid cell sheet detachment from poly(N-isopropylacrylamide)-grafted porous cell culture membranes"J.Biomed. Mater. Res.. 50. 82-89 (2000)

  • [文献書誌] M.Yamato: "Release of adsorbed fibronectin from temperature-responsive culture surfaces requires cellular activity"Biomaterials. (2000)

  • [文献書誌] K.Uchida: "Temperature-dependent modulation of blood platelet movement and morphology on poly(N-isopropylacrylamide)-grafted surfaces"Biomaterials. (2000)

  • [文献書誌] A.Kushida: "Temperature-responsive culture dishes allow non-enzymatic harvest of differentiated Madin-Darby canine Kidney (MDCK) cell sheets"J.Biomed. Mater. Res.. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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