研究課題/領域番号 |
11680856
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
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研究分担者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
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キーワード | NADH / 冠微小循環 / 糖尿病 / 高血圧 / 血流分子トレーサ / 蛍光計測用CCDカメラ |
研究概要 |
実験計測システムの確立整備を行ない、心臓微小循環の基礎的な生理実験データを得た。 1)NADH蛍光測定用CCDカメラシステムを作成確立した。励起光には、370nmの紫外線を用いた。励起光照射による組織からの蛍光の波長は460nmであり、フィルターはそれに適合させた。得られるの空間分解能は40ミクロンで、時間分解能は33msecである。 2)分子血流トレーサーである3H-DMI(tritium desmethy1 imipramine)を用いて血流解析を空間分解能100ミクロンの精度で行なった。ラットを実験対象とし、ランゲンドルフ灌流心の実験システムにおいて、灌流路から分子トレーサーを投与して、高分解能のオートラジオグラフで血流分布を計測した。この結果心表面における血流分布は正常時でも必ずしも一様ではなく、虚血再灌流時には特に不均一性が著しいことが判明した。 3)コントロールラット、糖尿病ラットによるNADH蛍光測定実験を行なった。ラットランゲンドルフ灌流心においてまず正常酸素灌流状態を観測し、灌流停止時前後のNADHと3H-DMIの画像を比較検討した。すなわち、冠微小循環にとって最も重要と思われる心筋灌流血流と酸素代謝を同時に解析した。その結果、オートラジオグラフ法で観測された血流低下部位と、高輝度NADH蛍光を発するミトコンドリア低酸素部位とが一致することが分かった。また、糖尿病ラットではコントロールラットと比してNADHの輝度が最初から高く、高血糖によるミトコンドリアの酸素代謝の障害が窺われた。
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