【目的】中枢性圧反射失調による低血圧を克服するためのバイオニック圧反射システム(BBS)を開発し、動物実験によりその有効性を検証した。 【方法】ラット16匹の圧受容器領域をisolationし、圧センサーを大動脈に留置した。BBSにおける血管運動神経となる腹腔神経節に電極を埋込み電気刺激装置とつないだ。 BBSにおける人工的血管運動中枢(VMC)として働くコンピュータにAD変換器を介して動脈圧(SAP)を入力し、DA変換器を介して刺激装置が駆動されるようにした。 BBSを最適化するため、腹腔神経節の電気刺激頻度変化(STM)に対するSAP応答の開ループ特性を同定した後、VMCの開ループ特性を決定した。 最後に急激な交感神経の中枢性虚脱による低血圧を誘発し、BBSの有効性を評価した。 【結果】STMに対するSAP応答は、遮断周波数が0.1Hzの低域通過型であった。この緩徐な応答は、VMCに高域通過特性を持たせることにより代償された。BBSは低血圧モデルにおける血圧変化を-49±8から-16±5mmHgに抑制し、その効果は正常圧反射と差がなかった。 【結論】今回用いられた開発戦略は、妥当で、BBSの開発は可能であると考えられる。
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