研究課題/領域番号 |
11691017
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
浅野 和生 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (80167890)
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研究分担者 |
益田 朋幸 女子美術大学短期大学部, 教授 (70257236)
福永 伸哉 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50189958)
辻 成史 大手前大学, 人文科学部, 教授 (90127259)
大月 康弘 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70223873)
中谷 功治 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (30217749)
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キーワード | ビザンティン帝国 / キリスト教建築 / キリスト教美術 / モザイク / 考古学 / 海上交通 / フレスコ画 / 巡礼運動 |
研究概要 |
トルコ地中海岸の西南端に位置するゲミレル島とその周辺には、ビザンティン時代(6世紀〜15世紀)の遺跡が集中している。特にゲミレル島は、6世紀を中心に、海上交通とキリスト教の聖人聖ニコラオスの信仰によって非常に繁栄したとみられ、聖堂建築・世俗建築・港湾施設・墳墓など、中世の都市がそのまま残されている。この他、その周辺の島嶼部や本土内にも建築遺構が散在している。 平成12年度には、次の4つの課題を並行しておこなった。 (1)この遺跡の代表的建築物であるゲミレル島第三聖堂(6世紀頃建造)の身廊内、約30平米を発掘し、芸術的価値の高い床モザイク、フレスコ片を発見した。また、モザイクで書かれた、床モザイクの奉献銘を発見した。この奉献銘にはモザイク奉献の由来が記されており、島の当時の経済活動を知る上で貴重な史料である。 (2)ゲミレル島第二聖堂とその周囲の世俗建築群の遺構を実測し、精密な実測図を作成する作業を続行した。第二聖堂についてはほぼ実測作業を終了した。 (3)ゲミレル島内をくまなく調査し、都市部・墓地・港湾施設などの都市区分を示すくわしい地図を制作した。 (4)ゲミレル島に近い本土側のカヤ遺跡とその周辺の踏査をおこなった。ゲミレル島から北へ10キロメートルの範囲で、これまでに知られていなかったビザンティン時代の聖堂遺構2個所を新たに発見した。
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