研究課題
基盤研究(A)
本科研は、記載のメンバーに、武田佐知子(大阪外国語大学・外国語学部教授)と深尾葉子(大阪外国語大学・外国語学部助教授)を加えた8名で構成されている。本科研としての狙いは、東南アジア最大の河川であるメコン河集水域を対象として、上流域の中国雲南およびラオス北部、中流域の東北タイ、下流域のベトナムのデルタにおける、住民とメコン河との生態学的、遺伝的、社会文化的、歴史的なかかわりを地域の環境史として、異なる領域から総合的に明らかにするということを目的とするものである。99年夏には、来年度行われる本調査のための予備調査として、全日程参加で2週間という短期間ではあったが、全員でメコン河流域のタイ(バンコク)、ラオス(ビエンチャン・ウドンタニ)・中国(昆明・景洪)を訪れた。そこでは、現地の市場や村の初期調査、さらに来年度以降の調査のカウンターパートの選定や調査地の絞込みといったことを主として行った。帰国後、全メンバーで数回の会合を持ち、2000年度には中国雲南地区では主として尹紹亭教授(中国雲南大学・人類学系教授)を通じて村落調査を委託することなどを決めた。そこでは、漢族の入植の過程とそこから雲南省地域の社会主義化、商品経済下のもたらした影響、そして景観的にもっとも顕著である原始林の大規模なゴム園などへの変化の社会的背景、生態的影響を明らかにしていく。またその他地域では、メンバー個別で現地に赴き、本調査を行う予定である。
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