研究課題
本年度は、日本側からは秋道が雲南にて蝶の利用等について調査を行ったほか、武田が民族衣装の現代的変容について調査を行い、また高井はタイ北部において生肉(ラープ)食の変遷等について、また赤木もタイ及びラオスにて調査を行った。一方中国雲南省における委託調査も進行し、西双版納における1950年代以降のゴム農園開発の歴史とその生態的影響ならびに周辺諸民族への影響について、数名の現地委託調査者がのべ数ヶ月にわたる現地調査を行った。具体的には、東方農場における漢族移民と開発史の調査、農場周辺のジノー族、タイ族の村落における生活および資源利用の変化に関する調査、西双版納における森林面積等の統計的変化に関する調査、近年増加している自然保護区とその周辺における影響、などについて、それぞれ数名の調査者を派遣している。2001年3月には、深尾が雲南を訪れ、委託調査の成果について報告を受けるとともに、調査地となったゴム農園に足を運び、また関係する資料収集などを行った。野中は、来年度の調査の準備として、ベトナムにて予備調査を行っている。この他、日本国内で数回の会合を持ち、オーストラリアのメコン地域研究者を招いて交流を行うなど、他地域のメコン流域研究についての現状について理解を深め、今後の交流の方向を探った。調査は来年度も継続するが、来年は最終年となるため、出版の予定についても話し合った。中国では、来年度中に調査報告が出版されることとなっており、日本においても、本科研報告書の内容をもとに、出版すべく準備を進めている。
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