研究課題/領域番号 |
11691019
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
赤木 攻 大阪外国語大学, 学長 (10030157)
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研究分担者 |
藤原 佐知子(武田 佐知子) 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (00181412)
五條堀 孝 国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 教授 (50162136)
秋道 智彌 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (60113429)
野中 健一 三重大学, 人文学部, 助教授 (20241284)
高井 康弘 大谷大学, 文学部, 助教授 (00216607)
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キーワード | メコン / 人と自然 / 民族衣装 / 家禽化 / ラープ / 昆虫食 / エスノバイオロジー / 漢族移民 |
研究概要 |
本年度は本研究の最終年であり、日本側からはそれぞれ対象地域の補足調査に出向き、これまでの調査で得られなかったデータの補足を行った。夏に秋道がラオス・タイにて、野中がラオス・ベトナムにて、高井、武田はそれぞれタイにて、12月に深尾が雲南にて調査を行った。 報告書では、高井はタイ北部と東北部における牛・水牛の肉食誌稿の変容を取り上げ、その社会的意味を探っている。野中は自然資源のひとつである昆虫の食用を調査した。秋道は鶏の家禽化をとりあげ、それがかならずしも単純ではなく、自然界と人間界の複雑な交流の中に見出されると論じている.武田は「民族衣装」を問題とし、「民族衣装」そのものの存在に疑いをかけている。深尾は雲南省シーサンパンナの盆地世界を中心としたゴム栽培の導入がいかに環境を変えてしまったかを丹念に追っている。 本研究ではメコン河流域の自然と文化の関わりについて、遺伝学や動植物利用、民族聞のすみわけや共同、さらに服飾や社会構造などの文化・社会的面からなどから総合的に調査を行うことができた。これにより、複数の国家にまたがる河川が、今後どのように共同で利用され、管理されうるのか、さらには国境で分かつことのできない環境問題解決の一つの糸口を得ることができたと考える。 中国雲南省での委託調査については、調査報告書の原稿がまとまり、現在出版を待つばかりとなっている。また、日本国内でも本研究の報告書をそのまま出版する予定である。会合の際に出版についての編集会議も同時に行った。本年末までの出版を目指している。
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