研究課題/領域番号 |
11691031
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
石澤 良昭 上智大学, 外国語学部, 教授 (10124851)
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研究分担者 |
盛合 禧夫 東北工業大学, 工学部, 教授 (10085459)
遠藤 宣雄 上智大学, アジア文化研究所, 研究員
青柳 洋治 上智大学, 外国語学部, 教授 (60146800)
上野 邦一 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (70000495)
中尾 芳治 帝塚山学院大学, 文学部, 教授 (70227734)
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キーワード | カンボジアの民話 / 文化観光振興 / 遺跡保存の初級技術 / 文化遺跡に対する住民意識 / 文化遺産教育 / 遺跡保存技術の移転 / 地域文化発展像 / 伝統工芸品 |
研究概要 |
<国内における活動> 1.データベース化作業:カンボジアにおける文化遺産と、環境・村落・社会・経済関連調査結果、入手可能な報告書・論文・現地語報告・文献参考書等を収集し、分野別・テーマ別にデータベース化を実施した。 2.文献報告書等の再点検:収集文献・資料等を下記5班5分野において再分類し、有効資料のみを呼び出し、分野別データベースを作成、そしてレポートにまとめ、研究分担者に配布、事前に関連分野・他分野についての専門知識を共有した。 3.調査手法構築のための研究会:5分野の研究視野から専門的な調査研究の報告を受け、学問領域のボーダーレス化に向けてで入念に事前研究会・研究計画会議を開催した。 4.カンボジア人専門家APSARAスン・コン副総裁と資料交換および関係機関へ資料を送付した。 <現場における調査研究活動> 1.カンボジア・シェムリアップ州当局との打ち合わせ会議・州知事トン・チャイ氏とスン・コン氏との事前協議、州当局との共同調査を実施。報告書は欧文とカンボジア語文とすることを決定。シェムリアップ州農業局との共同調査打ち合わせ会議(州庁舎会議室)開催:現場(車輌・村人の手配・インタビュー調査場所点検等)のアレンジ再確認と現地語資料の提供を受けた。 2.地域再発見班のカンボジア人研究者との共同調査:(1)遺跡関係への村人の就労人口調査、(2)遺跡における初級技術調査、(3)村人の雇用(10日間ほど)による遺跡労働の事例研究、(4)自然(森林)環境と地域社会、(5)繁茂した降雨林と村落形成調査、(6)農村経済と村民所得、(7)村民の文化遺産に対する意識調査、(8)遺跡インベントリー作成。 3.遺跡班の共同調査:(1)遺跡関係への村人の就労人口調査、(2)遺跡における初級技術調査、(3)村人の雇用(10日間ほど)による遺跡労働の事例研究、(4)遺跡整備計画の中での村人雇用の問題、(5)遺跡本体および周辺村落の人口現況を把握する、(6)考古発掘の現場での村人の試用的就労調査:出土遺物の収集と分析等の作業を担当させ、技術移転を試みる、(7)遺跡整備事業と村経済への波及効果。 4.人材班の共同調査:(1)遺跡従事者と専従農家の調査、(2)村人の半農・半遺跡賃金労働の調査、(3)土地所有と遺跡作業労働の関係調査、(4)農繁期・農閑期遺跡作業時間の検討、(5)遺跡作業技術移転について村人の意識調査、(6)遺跡関連の伝統工芸品の制作、(7)遺跡物語りと影絵芝居の製作。 5.アイデンティティ発見班の共同調査:(1)近隣の小・中学校招聘による遺跡発掘現場公開事業、(2)カンボジア語の教科書調査、(3)学校教育の中で文化遺産教育の調査、(4)村の民話の聴き取り調査と民俗ルーツ、(5)村祭の認識度調査。 6.文化観光班の共同調査:(1)観光インフラ調査、(2)観光省アンコール観光局から資料を収集、(3)新交通網・新ホテルの調査、(4)観光税の分配と州の収入、(5)観光産業とカンボジア経済を検討。(6)世界遺産登録による観光客の増加調査。 7.総合検証研究会:(1)最終日、州政府専門家・カンボジア人研究者と各班調査・データの検討会開催、(2)村落周辺の自然形態地図・地形起伏図等の作成、(3)遺跡を中心とした地域像の検討、(4)村と遺跡と自然の共援・共存方式について検討、(5)技術移転と村落モデル像の検討、(6)文化遺産教育と村人の意識調査結果発表・検討、(7)国内交通と流通問題、北スラスラン村の地域的特徴とその地域の将来像の試案を提示した。
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