研究課題/領域番号 |
11691034
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
片桐 正大 日本大学, 理工学部, 教授 (50059515)
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研究分担者 |
小杉 孝行 建築文化研究所, 所員(研究者)
中尾 芳治 帝塚山学院大学, 文学部, 教授 (70227734)
盛合 禧夫 東北工業大学, 工学部, 教授 (10085459)
平山 善吉 日本大学, 理工学部, 教授 (90059189)
石澤 良昭 上智大学, 外国語学部, 教授 (10124851)
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キーワード | カンボジア王国 / アンコール遺跡 / ヒンドゥー教遺跡 / フランス極東学院 / 修復手法 / 施工技術 / 修復技術 / クメール |
研究概要 |
平成12年度の建築班の活動は、昨年の続きで、今世紀初からフランス極東学院によって行った研究成果を中心に、アンコール遺跡中のヒンドゥー教遺跡について過去の関係資料をリスト化し、必要なデータ・写真などをコンビューターに読み込み作業やC.D化を行った。さらに、研究代表者、分担研究者で各分野におけるヒンドゥー教遺跡の造営手法の研究、修復手法、修復技術などの分析を行うため、アンコール・ワットの西参道修復工事に必要な調査を行い、それを分析し、当時のクメール人の造営手法を明らかにした。さらに、アンコール・ワットの西参道の建築構法をI.C.C会議で公表し、多大な反響を呼んだ。その一方、各ヒンドゥー教遺跡の配置図から設計計画手法の変遷、設計変更創建からあとの増・改築箇所の特定を行い、カンボジアにおけるヒンドゥー教寺院の実態解明を行なうことを目的とした調査を行った。具体的には各遺跡の施工技術、構造の変化などについて個別分析調査を行った。施工技術の解明のため各遺跡の仕口、接合部、迫り出し屋根部、廻廊の柱と梁の接合部、柱の設置方、契の使い方などについて実測図を作成し、比較分析も行った。 考古班は、各ヒンドゥー教遺跡内の遺構の発掘と上部構造の推定調査を行いその成果を分析しているところであり、遺跡管理事務所及び現地にあるヒンドゥー教関係の彫像、建築装飾、出土品のリスト化と写真撮影による分析を行った。 地質班はアンコール・ワット西参道の石材の強度調査を行うかたわら参道の環濠における雨季と乾季の間の水位を調べ、その影響を調べた。 以上述べたように、研究実績は計画とおり進み、終了したが、その研究事跡から得られた情報は予想以上に多く、こうした調査研究は、今後の東南アジアの研究研究の基礎研究として有意義であろう。
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