研究分担者 |
富永 智津子 宮城学院女子大, 短期大学, 教授 (90217547)
重松 伸司 三重県立看護大学, 教授 (20109242)
田中 恭子 南山大学, 法学部, 教授 (00167496)
深見 純生 桃山学院大学, 文学部, 教授 (40144555)
濱下 武志 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90126368)
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研究概要 |
環インド洋世界におけるネットワークの形成と地域世界の構築を移住者をとおして考察することを目的とする本プロジェクトは,初年度の本年度,東南アジアと南アジアとの交流および華人系移住者の現在の活動について,基本的データを収集した。 東南アジア史研究に携わってきた弘末,深見さらには研究協力者の渡辺佳成は,インド調査をとおして南アジアと東南アジアとの交流を,ヒンドゥー教,仏教,イスラーム、インド系移住者の活動の諸観点から考察した。さらに弘末はオランダにおいて島嶼部東南アジアへの南アジア系およびアラブ系移住者に関する文献資料調査を行った。また南インド史研究に携わってきた重松によるマラッカ海峡およびマレー半島西岸海域の調査は,ベンガル湾海域におけるネットワークの周縁部を明らかにした。 一方華人系移民の活動について,多角的な側面から調査が進行した。シンガポールをはじめとする東南アジアにおける華人系移住者の研究に携わってきた田中によるシンガポール,マレーシア,中国での調査は,東南アジアへ移住した華人のなかでその後中国に帰還した人々の動向について明らかにした。また海外華人と本国との金融ネットワークの歴史的展開を考察してきた濱下は,香港,広州,台北での調査をとおして,今日の華人の金融ネットワークについてデータを収集した。以上の調査により南アジア系,アラブ系,ペルシア系,華人系などの移住者により複合的に形成されてきた環インド洋世界のネットワークの実態が明らかとなった。
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