研究概要 |
本研究では,1)日本語学習者による日本語作文 2)作文執筆者本人による母語訳 3)日本語教師による作文の添削 という3つのものを収集・整理してデータベース化し,それに基づく対照言語学的研究をおこなうとともに,日本語教育の実践にも生かしていくことを目指している.本年度はその第1年目であり,主にデータ収集をおこなった. 現在までに,中国・韓国・タイ・ヴェトナム・マレーシア・シンガポール・インドのアジア7か国から,800編あまりの作文とその母語訳を収集し,全体の約2割の作文については添削も完了している.データは,日本語作文についてはa)テクストファイル b)pdfファイル c)画像ファイル,母語訳についてはa)テクストファイル b)pdfファイル,添削情報についてはc)画像ファイルという形式でCD-ROMに掲載する予定であり,現在データ形式変換作業を進めている.またそれぞれのファイルには,htmlファイルによるインデックスからリンクをはることにしており,即座に必要なファイルを取り出すことが可能である.インデックス作成作業も現在進行中であり,2000年7月にはデータベースver.1を完成させ,関係者に配布できる見込みである. データベースver.1完成後は,研究メンバー内でこのデータベースに基づく分析研究を進めるとともに,世界各地の日本語学・対照言語学・日本語教育の研究者にも研究を依頼する.2000年12月には国立国語研究所内で対訳データベースに関する国際シンポジウムを開催,研究成果の公表をおこなう計画である.
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