研究分担者 |
中道 真木男 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (70150034)
小河原 義朗 国立国語研究所, 日本語教育センター, 研究員 (70302065)
熊谷 智子 国立国語研究所, 日本語教育センター, 室長 (40207816)
佐野 洋 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30282776)
佐々木 泰子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (20251689)
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研究概要 |
本プロジェクトは, 1)日本語学習者が書いた日本語作文(400〜800字) 2)執筆者本人による1)の母語訳(または最も楽に文章が書ける言語への翻訳) 3)日本語教師による1)の添削 4)執筆者・添削者の言語歴情報(日本語学習歴・日本語教育歴など) という4つのものを収集・整理してデータベース化することを第一の目的とするものである.さらにこのデータベースに基づき, 1)日本語と対訳言語との間の対照言語学的研究 2)日本語作文における誤用の分析と,誤用発生の理由についての研究 3)母語・母文化の違いによる論理展開の違いの比較 4)作文添削の方法論の研究 などさまざまな方面での研究を組織・運営し,その研究成果を公表していくということも目的としている. 本年度は,まず2000年8月に,アジア7か国800名分のデータを収めた「日本語学習者による日本語作文と,その母語訳との対訳データベースver.1(試用版)」をCD-Rの形で公開,日本語・日本語教育の研究者に配布し,同時にデータの拡充も進めた.その後2000年12月には,配布した試用版データベースに基づく国際シンポジウムを国立国語研究所内にて開催した.このシンポジウムでは,日本語と他の言語との対照言語学的研究のほか,言語行動や論理展開の違いに関する研究,実際の作文指導に対する応用研究などが発表され,このデータベースがさまざまな用途に使用できることが実際に示された. さらに2001年3月には,アジア10か国1100名分のデータを収めた「日本語学習者による日本語作文と,その母語訳との対訳データベースver.2(正式公開版)」をCD-ROMの形で1000枚作成し,配布をおこなう予定である.また今後は,このデータベースに基づく応用研究を進めていくとともに,欧米語版のデータベース・音声版の対照データベースの作成に着手することを計画している.
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