研究課題
基盤研究(B)
本年度に行った主な活動は、次の三つである。1)研究分担者である鈴木勝雄(当館研究員)がハイデルベルク大学美術史研究所をはじめとするドイツ・イタリア5都市の主要な研究施設、増田玲(同上)がケルン日本文化会館ほかドイツ・フランス3都市の同上施設を訪問し、研究者と会談の上、各国の研究施設・研究者の所在を調査し、学会報・研究紀要その他基本資料の収集に当たった。2)カリフォルニア大学日本美術史教授・D.F.マッカラムおよびチェルシー美術大学(ロンドン)日本美術史教授・渡辺俊夫を招聘し、本研究分担者ほか関係分野の研究者若干名とともに研究会を開催、両教授からは、アメリカ合衆国(マッカラム教授)およびイギリス・ドイツ(渡辺教授)における近代日本美術研究の現状や研究態勢、および近年の主要な研究テーマや関心について報告があり、引き続き討議にうつった。3)BHA(Bibliography of History of Art)などの文献検索年鑑誌、『東亜美術史』(ドイツ)をはじめとする学会報、およびとりわけ1980年代以降に刊行された近代日本美術関係の展覧会カタログ所収の文献目録等を基本資料としつつ、当該分野に関わる単行書、博士論文、雑誌記事などの収集と目録化の作業を開始した。本年度の基礎調査をもとに、次年度以降は、欧米各地の日本美術史/日本学の研究機関、学会、研究会、個人研究者と連絡をとりながら、収集範囲を広げつつ、順次目録化等の作業を進める予定である。