研究課題/領域番号 |
11691046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 大学入試センター |
研究代表者 |
小野 博 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10051848)
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研究分担者 |
永田 雅人 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80303858)
鴫野 英彦 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (80321561)
荒井 克弘 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (90133610)
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キーワード | AO入試 / プレースメントテスト / プロベーション / リメディアル教育 / 英国の大学入試 / 米国の大学入試 / 大学入試後の教育水準の維持 / 教育文化 |
研究概要 |
近年、日本の大学でもアドミッションズオフィス(A.O.)を利用した入試が増えつつあるが、米国や英国で長く実施されてきた方法と異なる点が多い。大学入試制度はその国の教育文化を背景として発展・整備されるものであり、人種構成や文化の異なる国の制度をそのまま日本に持ち込んでも定着するものではない。しかし、長い歴史の中で定着してきたものは、それなりの理由があり、日本のA.O.入試に取り入れたり、工夫すべき示唆も多く含まれている。我々は米国及び英国、カナダのA.O.を訪ね、A.O.入試の定着の経緯や現状、問題点などについて調査し、更に、大学教員と教育水準の維持方策等について話し合った。その結果、日本と欧米のA.O.入試の違いとして、(1)欧米のA.O.入試の目的は、大学にとっては事務の省力化、教員の負担の軽減、学生にとっても負担の少ない入試であるが、国内のそれは丁寧入試としているため、教員及び受験生への負担が大きい。(2)欧米は成績重視であるが、日本は面接重視である。(3)米国では基礎学力が不足していても、入学を許可した後にプレースメントテストを実施し、その結果に基づいてリメディアル教育を行っているが、日本ではリメディアル教育を試行し始めたところである。(4)米国では出口管理としてのプロベーション制度が定着しているが、日本では不十分である。そこで、すでにA.O.入試を行っている、あるいは行おうと計画している国内の大学に呼びかけ、「A.O.入試の現状と将来」と題するシンポジウム(中間報告会)を開催し、約300大学、530名が集まった。今後は国内のA.O.入試の改善についての研究を進めたい。
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