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2000 年度 実績報告書

イラン西北部の考古学的調査

研究課題

研究課題/領域番号 11691054
研究機関(財)中近東文化センター

研究代表者

大津 忠彦  財団法人中近東文化センター, 学術局, 研究員 (30260144)

研究分担者 古瀬 清秀  広島大学, 文学部, 助教授 (70136018)
山内 和也  財団法人中近東文化センター, 学術局, 共同研究員
岡野 智彦  財団法人中近東文化センター, 学術局, 研究員 (40260145)
千代延 恵正  財団法人中近東文化センター, 学術局, 共同研究員
キーワードギーラーン州 / イラン / 考古学 / タブリーズ / こぶ牛形象土器 / アンマルルー / アッシリア / ハサンル
研究概要

当初計画したギーラーン州セフィードルード川流域のキャルーラズ及びネスフィーの谷筋での踏査実施については、許可申請に対するイラン側回答の遅延および手続きの変更、すなわち、イラン文化遺産庁と中近東文化センターとの間で新たに「考古学における共同研究プロジェクトに関する合意書」を締結する必要が生じ、当初予定を変更して、合意書策定共同作業に時間を費やさざるを得なかった。しかしこの作業を通じて、イランが望む外国人による正式の考古学調査研究活動の形態や、イラン国内では現在37カ所で発掘調査が行われ、100〜120の考古学関係プロジェクト計画が進行中であることなどがはじめて明確となった。
ウルミエ方面を訪れる機会を持ち、タブリーズの博物館では、セフィードルード川東岸域に特徴的遺物とされる「こぶ牛形象土器」がミヤーネ、メスキン・シャハル、アルデビールなどギーラーン以西でも出土例があること、ただしその形態は注口の短いいわゆるギーラーンの「アンマルルー・タイプ」であることを確認する。また、タブリーズの「ブルー・モスク」の修復事業、ウルミエ博物館へイラン・イラク戦争中疎開された銃弾痕生々しいカレ・シーン出土のウラルトゥ、アッシリアニカ国語碑文、ハサンル遺跡における神殿址(紀元前1千年紀)の修復、復元および監視所設置などを実見することから、文化遺産に対するイランの真撃な姿勢を理解することができた。
テヘラーンではまた、革命前ギーラーンの遺跡発掘調査に携わり、「ギーラーンの考古学」(1995年)の論文を著わしたS.M.ムサヴィー氏より、同名のレクチャーを受け、我々のギーラーンに関するこれまでの理解に大きな矛盾のないことを確認すると共に、同氏が近年継続中のシェイフサーフィー廟(アルダビール)発掘調査の最新成果と今後の展望、とくに同所出土の中国陶磁器資料の整理研究について意見交換することができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 大津忠彦: "我が国「イラン考古学」の指向"日本考古学協会第66回総会研究発表要旨. 243-248 (2000)

  • [文献書誌] 大津忠彦: "カスピ海南岸域の先史遺跡-シルクロード将来品放地の歴史的背景-"日本西アジア考古学会第5回総会・大会要旨集. 34-38 (2000)

  • [文献書誌] 大津忠彦: "ターレシュ/アルボルズ山系(イラン)の先史遺跡-鉄器時代以前へのアプローチ-"日本オリエント学会第42回大会 研究発表要旨. (2000)

  • [文献書誌] 大津忠彦: "カスピ海西/南域諸遺跡再考-イラン・ギーラーン州遺跡踏査より-"西アジア考古学通信. 第10号. 4-5 (2001)

  • [文献書誌] 岡野智彦: "9〜10世紀のイスラーム陶器の東西交流"考古学ジャーナル. 第464号. 24-28 (2000)

  • [文献書誌] 大津忠彦(共著): "ギーラーン-1997,1998年度イラン遺跡踏査の記録-"財団法人 中近東文化センター. 104 (2000)

  • [文献書誌] 大津忠彦(共著): "ペルシア残照-中近東文化センターのイラン踏査"財団法人 中近東文化センター. 32 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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