研究課題/領域番号 |
11691058
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
畠山 武道 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40062666)
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研究分担者 |
土屋 俊幸 岩手大学, 農学部, 助教授 (50271846)
柿澤 宏昭 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90169384)
亘理 格 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30125695)
交告 尚史 神奈川大学, 法学部, 教授 (40178207)
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
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キーワード | 生態系管理 / 法制度 / 社会 / スウェーデン / アメリカ合衆国 / EU / フランス |
研究概要 |
EU全域にわたる生物多様性とエコシステムの保護を目的として、2004年めどに現在加盟各国で進められているNATURA2000のための登録地選定作業の実態を、フランスを例に調査した。国立公園・自然保護区・ビオトープ等の国内法に基づく既存の区域指定による規制に加えて、新たに広範な区域選定を必要としており、そうした区域については、契約や協定等の合意手法による保護措置が必要とされていることが明らかとなった。また登録地選定の中心を担うのは各地方のNATURA2000協議会であり、EU規模の自然保護にとって加盟各国の地方レベルでの合意形成が重要であることが明らかとなった。 スウェーデンにおける生物多様性保全にむけての活動を、私有林における普及事業・森林組合事業を通じた政策的な働きかけと、NGOによる独自の活動について調査した。その結果、私有林においては、生物多様性に配慮した森林経営計画を策定すると、ほぼそのままPEFCの森林認証が獲得できるシステムが作られつつあり、これまで普及事業による啓蒙に頼っていた私有林における多様性保全に経済的インセインテイブが生まれつつあることが確認できた。また、NGOの活動に関しては、「財団」というスウェーデンに特有の公共団体が、様々な形で、それぞれの地域の生物多様性保全に取り組んでおり、今後、本格的な調査研究が必要なことがわかった。アメリカ合衆国についてはマサチューセッツ州の流域管理について調査を行ったが、タウンシップにおける自治の伝統と、ランドトラストの活発な活動が流域管理を実質化するために大きな役割を果たしていることが明らかとなった。
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