研究課題/領域番号 |
11691063
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
遠藤 誉 筑波大学, 物理工学系, 教授 (30092620)
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研究分担者 |
張 振亜 筑波大学, 農林工学系, 講師 (20272156)
鄭 仁豪 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80265529)
李 相茂 筑波大学, 物理学系, 教授 (10175028)
三木 ひろみ 筑波大学, 体育科学系, 講師 (60292538)
吉田 友彦 筑波大学, 社会工学系, 講師 (40283494)
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キーワード | 帰国アジア元留学生 / 日欧米比較調査 / 留学効果 / 日本留学 / 欧米留学 / 学位評価 |
研究概要 |
韓国:今年度の韓国調査は欠損データ分の追加調査およびデータ人数の調整を行い、日本留学者224名と欧米留学者307名に対し分析を行った。その結果、日本留学者は欧米留学に比べて理工系が多く、学位取得を目的とする者と、日本語学校や非正規生である研究生等を経て、技術習得を目的とする者に分かれる傾向があることがわかった。また日本留学者は指導教官の学問への姿勢を高く評価する一方、指導教官との粘着的人間関係に悩む傾向も見られた。日本の学位より、アメリカの学位が高く評価されている。 台湾地区&マレーシア:今年度は、昨年度までに回収したデータに基づき分析を行った。分析の結果、台湾には、学歴の低い者が日本に留学し、また日本留学者は、帰国後も指導教官との連絡が頻繁であるという特徴が見られる。マレーシアについても、欧米志向が根強くあることがわかった。 香港地区:本年度は昨年度の予備調査的データ結果をさらに充実させて、最終的な分析結果を出した。香港はもともとイギリス領であったこともあり、欧米留学の傾向は非常に強い。したがって、いうまでもなく、学位取得を目指す者は欧米に行く傾向にあり、日本留学の場合は、非常に短期間、日本語だけを学ぶために来日して、すぐに帰国し観光等の業種に従事する傾向が見られた。 中国:中国大陸に関し、その後の追跡調査を継続して行った。本年度は主として、各省市の経済開発区にあるインキュベータ・システムである「留学人員創業パーク」における帰国留学生の活躍をフォーローしてみた。その結果明らかになったのは、日本留学者にはベンチャー・ビジネスを起こす気風に欠ける者が多く、欧米留学者が優勢を占めている現実であった。留学人材を人材資源国家戦略の根幹に置いて、強烈な「知のグローバル・ネットワーク」を形成し、世界主要国に「中国人博士協会」が設立され、高学歴留学生の役割が重視されている。 タイ:今年度はタイの分析を加えたが、その結果、日本留学者は留学先国が第一希望でないのに対し、欧米留学者は留学先国が第一希望であること、日本の学位評価は欧米より低いこと等がわかった。
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