研究課題/領域番号 |
11691076
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
祖田 修 京都大学, 農学研究科, 教授 (40081111)
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研究分担者 |
池上 甲一 近畿大学, 農学部, 教授 (90176082)
古沢 広祐 國學院大學, 経済学部, 教授 (30219109)
末原 達郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00179102)
秋津 元輝 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00202531)
杉村 和彦 福井県立大学, 経済学部, 助教授 (40211982)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 比較農業・農学 / 環境問題 / 地域社会 / アフリカ農業 / EU農業 / 同一性と差異性 / グローバリゼーション / 多面的機能 |
研究概要 |
本研究は、人類の存亡を左右する食糧問題と環境問題を、農業と地域社会という視点から実態調査を行い、世界的な視点から農業の位置づけを行うことを試みた研究である。 アフリカでは、セネガル、ジンバブウェ、南アフリカ、タンザニア、モザンビークを対象として、食糧問題と地域社会の存続との関係を解き明かした。特に南部アフリカ地域では、植民地的大農の存続と地元小農との葛藤が、ポスト植民地期においても存続し、市場経済のグローバル化とともに、自給用食糧の確保のための農業と世界市場への輸出のための農業とが、直接対立してきている構造を明らかにした。 ヨーロッパにおいては、ドイツ、フランス、ハンガリーを対象として、環境問題と農業および地域社会の存続との関係を解き明かした。特に、ドイツ、フランスでは、農業人口の激減とともに、農業を単なる産業ではなく、地域社会の中で位置づけようとする試みが始まっており、農業の多面的機能を評価する政策が開始されている。これらの政策と具体的な農村社会の変化とが、どのように結びついているのかを、地域社会の変化と農業政策の変化とを関連づけながら明らかにした。 日本と比較すると、ドイツ、フランスでは、それぞれ地域政策(地域空間政策)と国土整備政策が歴史を持って成立してきており、同じ農業の多面的機能を新たに政策化しながらも、国家レベルの農業構造政策に主として依存してきた日本とは、その思想的根拠や社会的背景には大きな違いがあることが明らかになった。 本研究は、農業を食糧問題や環境問題ともに分析するという視点、地球規模で比較研究するという点、地域社会を分析の基準とする点で、先駆的な研究が開始できたと考えるが、実態研究を蓄積すると共に、今後より理論的な比較研究を行う必要があると考える。
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