研究課題/領域番号 |
11691091
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
永岑 三千輝 横浜市立大学, 商学部, 教授 (70062867)
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研究分担者 |
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40194609)
雨宮 昭彦 千葉大学, 法経学部, 教授 (60202701)
廣田 功 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90055236)
新原 道信 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (10228132)
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キーワード | ヨーロッパ共同体 / EU / EC / EEC / ナショナリズム / 社会史 / 世界大戦 / グローバリズム |
研究概要 |
昨年度、研究の中間総括の場として国際学術シンポジウム「よこはま21世紀フォーラム」で報告・コメントした実績を踏まえて、今年度は共同研究の最終総括をそれぞれの主要研究力点ごとに推進した。永岑はヨーロッパ統合の歴史の前提となるのは、なんといっても「極端の世紀」20世紀の前半における世界大戦・総力戦であった。ヨーロッパ民衆の生活・生命・経済の総体を根底から覆す総力戦の日常をホロコーストの悲劇の諸要因を解明するなかで明かにした。現代の世界大戦・総力戦の悲劇を経験した社会は地域的水平的統合を選択すべき必然性をたたきこまれた。廣田は平和の数十年を経て、世界大戦・総力戦が忘却のかなたに去っていく中で市民から見た欧州統合-統合過程と市民意識の変化-をフォローした。雨宮は対象をもっと現在に近く選択し、ドイツ社会史の視点から見た欧州統合とグローバリゼーションからの教訓を抉り出した。とりわけ、ドイツとヨーロッパで主要な潮流となっている社会的ヨーロッパの理念、それを支える主体的にないてとしての社会民主主義の最近の動向を解明した。小野塚は、二つの歌に注目し労働運動のヨーロッパ的変容を踏まえて、ナショナル・アイデンティティという奇跡を長期的ヨーロッパ的視野で分析した。新原はヨーロッパ社会の表層となっている統合の背後にある「深層のヨーロッパ」に着眼し、さまざまの多元的な多様性のあるヨーロッパの実態、そこからくる「願望のヨーロッパ」を明かにした。全体の研究をとおして、表面的経済的な統合を支える社会的な基礎が立体的かつダイナミックに明かにできたと思われる。
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