研究課題/領域番号 |
11691093
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
小浜 裕久 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (40201488)
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研究分担者 |
吉川 元 神戸大学, 法学部, 教授 (50153143)
立山 良司 防衛大学校, 社会科学教室, 教授
木村 修三 姫路独協大学, 法学部, 教授 (50153193)
宮田 律 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (20200181)
六鹿 茂夫 静岡県立大学, 大学院・国際関係学研究科, 教授 (10248817)
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キーワード | 旧ソ連南部諸国 / 石油 / 地経学 / 地政学 / 市場経済化 / イスラム政治運動 / カスピ海 / 民族紛争 |
研究概要 |
平成11年度は、基礎研究の充実を図り、各研究分担者のそれぞれの訪問先における聞き取りと資料の蒐集に重点を置いた。それぞれの調査研究から次のような成果を得ている。経済的には、旧ソ連南部(FSS)諸国は、豊饒な石油やガスなど天然資源に恵まれているものの、その輪出経路に民族紛争など政治的な問題があり、それがこれら諸国に対する国際的諸アクターの関与を複雑なものにしている。米国は特にアゼルバイジャンの資源に力点を置き、またイランをこの地域から排除する目的で、アゼルバイジャンからの石油の輪送をバクーからトルコのジェイハンに至る経路に1999年10月に決定した。また、ロシアには地経学という意識は乏しく、依然として地政学的発想から抜け切ることができない。ロシアは、今後もFSS諸国への政治的影響の維持を考えていくに違いなく、こうしたロシアの地政学的思惑は、新たにこの地域への参入を意図する米国、EU諸国、さらにはNATOとも軋轢を生む可能性がある。また、FSS諸国の内政に目を向ければ、これら諸国は、市場経済化を円滑に果たすことができない結果、貧富の差の拡大やさらに一部ファミリーによる経済の独占、さらに政治腐敗など様々な政治・社会・経済問題を抱えている。そのため、ウズベキスタンなどでは社会・経済的矛盾を背景に、社会的公正や平等主義を説くイスラム政治運動〈原理主義)が台頭するようになった。また、カスピ海の法的地位をめぐっては、イランとFSS諸国の考えの相違が際立つようになっている。アゼルバイジャンのバクー油田には法的に日本の企業が進出しやすい背景があるが、日本にはFSS諸国の政治・経済・社会の構造を注意深く分析することが必要で、経済関係の促進とともに、政治的安定への貢献も求められていくに違いない。
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