研究課題
基盤研究(A)
平成11年度から3年間、旧ソ連南部諸国をめぐる国際関係を政治経済学的に分析した.分析対象は、旧ソ連南部諸国をめぐる国際関係であるから、イラン、トルコ、またイスラエルという中東の地域大国の競合関係を明らかにし、また特にトルコ・イスラエルの協力関係の可能性を探ったメンバーもあり、政府関係者・研究者への聞き取り、資料・惰報の蒐集など海外での学術調査を通じて課題の解明に努めた.その研究を通じて、旧ソ連南部諸国をめぐる「地経学(geo-economics)」の観点から、特に日本など西側諸国のエネルギー安全保障にとって、イランが戦賂的に重要であることを明らかにし、日本の対イラン政策の指針に関して分析・検討を試みた.主たる研究対象国は、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスなどの中央アジア諸国で、またグルジアやアルメニアなどカスピ海資源のパイプライン経路に関連する国々についても政治・経済的安定度に関する現地調査を行った.それらの関係諸国の分析を補完する意味で、イラン、アメリカ、EU諸国、中国などの調査も行い、さらに国連、国連開発計画、世界銀行、国際通貨基金の専門家からのヒアリングも行った.さらに経済安全保障の観点から、とくに中央アジア諸国に対する日本の援助政策の分析も行った.国際関係の分析であるから、旧ソ連南部諸国とEU、アメリカ、中国との関係も重要であり、政治的、経済的諸側面に関する分析が行われている.
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