メンバー全員で、平成12年7月3日から7日まで、インドネシアのNGOとフォード財団の共催でジョクジャカルタ市で行われた「インドネシアにおける地方政治のダイナミズム」と題する国際セミナーに参加し、これまでの本研究の成果を発表した。 その後倉沢と内藤耕は平成12年7月末から9月にかけて、ジョクジャカルタ特別州のウォノレロ村、ならびにジャカルタのレンテンアグン町においてフィールド調査を行った。これは本科研による助成開始以前から毎年同じ時期に同じ場所で実施していた定点観測的な調査であり、本年で5年目になる。 「情報の伝達と動員」という本テーマに関連して今回の調査項目は、第一に、村の公的な集会や会合においてどのように情報が伝達されているかを調べたが、これは実際にそれらの会合出席し観察した。第二に、テレビを通じて情報がどの程度伝達されているのかをみるために、近年テレビ・ニュースにおいて頻繁に使用される主だった報道用語をいくつかとりあげて、その意味を住民がどの程度理解しているかを面接調査した。第三に、個々人が毎日の生活の中でどのような行動範囲でどのような移動をしているかを調べるために、無差別で抽出した住民の過去一週間の生活時間調査を対面で行った。 帰国後は、収集したデータの整理をするとともに、倉沢はその後別の用件でインドネシアを訪れる機会があった際に、引き続き追加調査を行った。
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