研究課題/領域番号 |
11691100
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
宮崎 英隆 東海大学, 教養学部, 教授 (40056320)
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研究分担者 |
吉武 信彦 高崎経済大学, 地域政策学部, 助教授 (80240266)
植田 隆子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10138620)
中原 喜一郎 東海大学, 政治経済学部, 教授 (50055886)
末澤 恵美 日本国際問題研究所, 研究員
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キーワード | 欧州秩序再編 / ロシア連邦 / 北欧諸国 / バルト三国 / EU東方拡大 / NATO東方拡大 / 欧州北部地域協力 / ウクライナ |
研究概要 |
平成12年度の欧州におけるNATOおよびEUに関する動向を調査すべく、日本側の各研究分担者はそれぞれロシアや東・中・西欧諸国を訪問し、現地の研究者や政府関係者へのインタビューや資料収集を行った。また欧州側の研究分担者が招聘によって来日し、日本側研究分担者との研究会を開催した。 この結果、まずNATOについては、昨年度のチェコ、ハンガリー、ポーランドの中欧3カ国の加盟というエポック・メイキングな出来事に対して大きな変化はなかったが、ユーゴスラビアにおける地域的な民族紛争に対処すべくEU内部にその創設が確認されている「緊急対応部隊」についての議論が、NATOとEUの間で行われてきた。そこでは特に、NATOとこの緊急対応部隊の役割分担とトルコなどのEU非加盟国の発言権をめぐって問題が浮き彫りになったが、基本的には解決の方向に進んでいることが明らかになった。またEUについては、上記の部隊を約6万人にすること、2000年12月に開催されたニースでの会議で多数決制の拡大や待ち票の見直しを行うことなどが決定され、その統合の一層の進展が見られた。こうしたNATO、EUの動きに対して、ロシアの大統領となったプーチンはNATOのロシア領土への接近に対して一貫して反対の姿勢を崩さない反面EUについては好意的反応を示すなど、硬軟両用のアプローチを行っていること、しかしロシアの場合内政的条件が対外政策を大きく制約する可能性が高いことから状況は流動的であること、などが判明した。又欧州側の研究分担者からは、バルト三国や北欧諸国、さらにはドイツ、ポーランド、ロシアを含むバルト海地域協力がCBSSを中心に進展を続けていることが報告された。
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