研究課題/領域番号 |
11691100
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
宮崎 英隆 東海大学, 教養学部, 教授 (40056320)
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研究分担者 |
吉武 信彦 高崎経済大学, 地域政策学部, 助教授 (80240266)
植田 隆子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10138620)
中原 喜一郎 東海大学, 政治経済学部, 教授 (50055886)
末澤 恵美 日本国際問題研究所, 研究員
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キーワード | 欧州秩序再編 / ロシア連邦 / 北欧諸国 / バルト三国 / EU東方拡大 / NATO東方拡大 / 欧州北部地域協力 / ウクライナ |
研究概要 |
日本側の各研究分担者はそれぞれロシア、中東欧、北欧を含む西欧諸国を訪問して、平成13年度の欧州地域におけるNATOおよびEUに関する動向を調査すべく、現地の研究者や政府関係者などの専門家へのインタビューや資料収集を行った。また欧州側の研究分担者が招聘によって来日し、日本側研究分担者との研究会を開催した。 この結果、まずNATOについては、2002年11月にプラハで開催予定のNATO首脳会議における第二次拡大決定に向けての論議が本格化したが、その候補国にバルト諸国が入っていることに対して、ロシアはそれら諸国がロシアに近接あるいは隣接していることから生じる国家安全保障や少数となったロシア人の権利保護などの問題が存在する限り拡大に反対していく可能性が高い反面、常設合同評議会で19プラス1(ロシア)による共通安保対策策定のための意思決定機関の創設で合意するなどの動きがあり、ロシアが柔軟姿勢を示し始めた兆しと見ることもできることが明らかになった。またEUについては、6月と12月の両首脳会議で、2002年までにポーランド、ハンガリー、チェコ、バルト三国など計10カ国の加盟を承認することが決まったが、これに対してロシアは、そのことが隣接する新規加盟国との間だけでなくEU全体との経済活動の増大をもたらし、その結果としてロシア自身の経済の活性化が図られるとして歓迎していることが分析された。このようにNATO、EU両組織の東方拡大が平行して進行しているが、その成否はロシアの国内政治状況が大きな鍵を握っていることに変わりはなく、今後もその動向を注意深くフォローしていくべきであることが指摘された。また欧州側の研究分担者からは、ロシアと隣接する日本、エストニア、フィンランドとの国境問題の現状が比較分析され、ここでもロシアの行動様式への注視の必要性が報告された。
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