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1999 年度 実績報告書

国際援助協力による社会経済開発のソ-シャルインパクトに関する開発人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11691105
研究種目

基盤研究(A)

応募区分一般
研究機関早稲田大学

研究代表者

菊地 靖  早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (40063698)

研究分担者 西村 正雄  早稲田大学, 文学部, 助教授 (30298103)
小林 英夫  早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (80052546)
阿部 義章  早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (20298201)
菊地 京子  津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10161415)
伊藤 亜人  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50012464)
キーワード開発政策と理念 / 現地調査 / 基層文化 / 地域共同体 / 奏効性 / リーダシップ / ソーシャルインパクト / NGO
研究概要

今年度調査の最大の課題は、2000年度の現地調査の選定である。この種の調査は日本政府や他の援助国政府および被援助国政府にとって非常にセンシティブな課題なので、各研究分担者が調査国政府機関と現地駐在の国際協力事業団(JICA)と国際協力銀行・(JBIC)の協力を得て、韓国、中華人民共和国、フィリピン、タイとインドネシアの各国で行われている開発援助プロジェクトを抽出する作業を行った。その際、2000年度は各国政府とNGOの開発政策と理念について、当該地域の基層文化がどれほど考慮されているか否かについて現地調査を行うことを合意した。具体的には、現地調査をおこなう時点で以下の点に焦点を当てることとした。
今年度の具体的実績は、以下の2点が次年度の現地調査のポリシーになることを確認した。
1.調査対象地域にFolk levelの(固有のOrganization)地域共同体が有るかどうか。共同体の有無によって、その地域の人々が血縁温情主義=拡大家族集団主義を超越して非血縁集団と利益を共有できる地域レベルないしは国家レベルの集団認識があるかないか、または、非血縁者との共同体形成の可能性を探る。もし固有の血縁共同体や地縁共同体があれば、それを有効に発展利用できるかどうかの可能性を検討して、最大限にその奏功性を高めるため経済的効果をたかめる方法を現地研究者と模索する材料の抽出に勤めた。
2.固有の文化的条件に基づく指導者と近代的な政治的指導者の有無をひきだす。そして当該地のリーダシップの条件を抽出する。これは、リーダへのアプローチ方法とリーダの社会行動様式の観察からその指導性がどれほどであるかを推定。さらに、リーダが集団のなかでどのような地位、立場にあるか(例えば、宗教的に大変な片よりがあるか、また、人種偏見があるかあるいは混血であるかなど)を検討してリーダの指導性を開発プロジェクト実施遂行のためにいかに効果的に利用できるかを見極める。
しかし、中国は他の調査地域と政治的状況を異にしているために、上記の2点とは違って開発援助の政治的意図が露骨に出ているために利益グループへの聞き込み調査は非常に困難であると思われる。したがって、中国におけるソーシャルインパクトの意味が他の地域とまったく異なった概念が存在すると予測される。このことに関して、どのように聞き込み調査を行うかを検討中である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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