研究概要 |
本研究では、パリ市で現在進行中のZ.A.C.(Zone d'Amenagement Concerte)と呼ばれる大規模な都市再開発を主たる研究対象とし、その計画において、既存の歴史的構造がいかに把握され、それに対して新しい要求に応えうる都市空間がどのような手法で創造されるのかを、その組織体制ならびに実施にいたるまでの様々な経緯・手法を現地における調査研究により究明する。さらに、その結果と比較対照し、我が国における歴史的景観の修景保存ならびに都市再開発に実践的に応用可能な知見を導出することを目指している。 研究初年度の平成11年度は主に現地調査(9・10月)と資料収集を行った。今回面会しインタビューを実施したのは次のZAC関係者であった。Roland Schweitzer氏(Zac-tolbiacのアーキテクト・コーディネータ)、Pierre Michelomi氏(Zac-seine rive gaucheの責任者、L'APURの建築家)、Karol Claverie氏(Zac-massenaのアーキテクト・コーディネータであるPortzamparc事務所の責任者)、Christian Devillers氏(Zac-Austerlitz最初のプロジェクト担当建築家)。さらに、今回は特にZacの庭園設計を担当したColboc氏(zac-reuilly〉、Brichet氏(Zac-tolbiac)とも面会を行いプロジェクトの説明と資料の提供を受けた。また、Zacの現場調査に加え、歴史的中心地区再発計画(Les Halles,Montorgueil)においてすべてのアパルトマンのファサードを写真撮影し、地籍資料の現況検証を行った。
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