研究概要 |
パリ市においてグラン・プロジェと並行して取組まれてきた都市再開発であるZ.A.C.(協議整備地区)の内、アーキテクト・コーディネータが参画する9地域<Z.A.C.-Bercy, Z.A.C.-Reuilly, Z.A.C.-Seine Rive Gauche(Tolbiac, Massena, Austerlitz), Z.A.C.-Citroen, Z.A.C.-Chalon, Z.A.C.-Dupleix, Z.A.C.-des Amandiers>に関して調査研究を進めてきた。主目的は小アーキテクト・コーディネータが既存の都市組織(tissu urbain)や歴史的環境をどのように捉え計画に反映させているかに着目し、歴史都市パリにおける新しい都市景観の創造はいかにして目指されているか、その実態を明らかにすることである。 これまでの調査では、パリ市都市計画局(APUR)、混合経済組織(societe d'economie mixed)、アーキテクト・コーディネータ、各LOTの担当建築家諸氏へのインタビューを実施し関係資料の収集と現地調査を毎年実施した。 調査の結果、P. A. Z.(地区整備プラン)、その規約(reglement P.A.Z.)、その展開(Developpement du P.A.Z.)の三点が一式となり計画されていることが判った。Z.A.C.は現在進行中のプロジェクトであり、現時点でこの3点資料を揃って収集できたのはBercy、Reuilly、Tblbiac、Massena、Dupleixの5地区に留まり、対象地区全体の比較分析の為には継続調査が不可欠である。この5地区に限れば、「パリのスケール」の踏襲とアーキテクト・コーディネータによる地区内のデザイン統制が特筆され、細部の比較を通じてこのパリのスケールがいかなるものかを継続課題として分析予定である。
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