研究分担者 |
西 弘嗣 九州大学, 大学院・比較社会文科研究科, 助教授 (20192685)
川幡 穂高 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
坂本 竜彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90271709)
長谷川 卓 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (50272943)
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研究概要 |
7月中旬に岡田がリヨン大学へ出かけ,フランス南東部の白亜系についての試料を集めると共に,現地の地質の専門家であるGiraud博士と実地調査の打ち合わせを行った。この情報に基づいて,中部白亜系の露頭から柱状試料を切り出すエンジンカッターや各種用具を国内で用意し,10月23日から11月7日まで,日本側研究者5名と研究協力者の大学院生3名がフランスへ渡航した。エクサンプロバンスでフランス側研究協力者2名と合流し,試料採取に必要な用具類を追加調達した後,レンタカーで現地入りした。Giraud博士の案内で3カ所の露頭を実地検分した結果,Castellane北西のMrietzにある,OAE1相当の黒色泥岩層から試料を採取することに決めた。ここには層厚約70mの黒色泥岩層が連続的に露出しており,露頭の下部と上部にはPaquirとKillienと呼ばれる黒色頁岩が挟在する。また、これらの黒色頁岩層の間にも層厚1〜3mの黒色頁岩が3枚挟在している。この露頭全体の柱状図を作成すると共に,約1m間隔で微化石と地球化学分析用の試料を採取した。また,PaquirとKillien層準については精密な柱状図を作成し,エンジンカッターを用いて連続解析用の柱状試料を切り出した。 これらの試料は全て日本に持ち帰り,フランス側研究者の研究試料はこちらで取り分けてフランスに送った。1m間隔の試料については,有孔虫や石灰質ナノ化石の群集組成と安定同位体,有機・無機物組成を分析中である。また,柱状試料については,岩相・色相変化を超高解像度(mm単位での連続画像解析)で分析し,ミランコビッチ周期を解析して白亜紀の高精度古海洋学の確立を目指すため,試料の解析方法を開発中である。
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