研究課題/領域番号 |
11691121
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荒井 章司 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20107684)
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研究分担者 |
海野 進 静岡大学, 理学部, 助教授 (30192511)
高澤 栄一 新潟大学, 理学部, 助教授 (80222082)
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 教授 (60200169)
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 教授 (30126164)
石川 剛志 静岡大学, 理学部, 講師 (30270979)
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キーワード | オフィオライト / 海嶺 / 島弧 / 地殻 / 上部マントル / オマーン |
研究概要 |
平成11年11月〜12年1月の期間いくつかの研究グループに別れて北部オマーン・オフィオライトの総合的地質調査を実施した。その後の室内実験を加えて、以下の成果を得た。 (1)マントル部分ではレールゾライトがかなり普通に産することを確認した。オルソパイロクシナイトを様々にダナイトが置換しており、最上部マントルでの同岩の重要性が判明した。地殻中位にクロミタイトが発見され、クロムの濃集機構の一般化ができた。 (2)北部におけるセグメント構造が斑れい岩層の変化から確定された。中心部は通常の半分以下の薄い斑れい岩層、厚いモホ漸移帯で特徴づけられ、側方へ向かって斑れい岩層の厚さは増大するがモホ漸移帯は急激に減少していく。 (3)北部ソハール地域のオマーン・オフィオライトにおいて、マグマ溜まりのルーフゾーンが上位から粗粒ドレライト、ペグマタイト状ガブロ、塊状ガブロ、葉理構造を有するガブロから成り、ペグマタイト状ガブロはメルトレンズが固結したものである可能性が明らかになった。また、オフィオライトの海嶺拡大、沈み込み、オブダクションの各ステージに活動した溶岩層に、溶岩ローブの膨張・融合の証拠を見いだした。 (4)主として島弧的活動によって生じた後期の火山岩類(Alley volcanics)の溶岩および岩脈について野外調査を行い、それらの産状を明らかにした。 (5)グゼイン地区塊状硫化物鉱床の産状・構造・鉱物組合せ・化学組成などから、生成過程と生成条件を検討している。黄鉄鉱中の微量元素Co,Se等を分析し、比較的高温のゾーンに、高銅品位かつ高Co,Se含有黄鉄鉱が分布することを把握した。ワジ・フィジセクションについて、熱水の組成を水/岩石比から求めるとシート状岩脈、ハンレイ岩ともに20と高く、熱水系での流入帯にこのセクションが存在したいたことを示唆する。 (6)サイハタット地域及びワジタイン地域でメタモルフィック・ソールの調査を行い、メタモルフィックソールの剪断がNE-SW方向に起こり、上盤がSW方向に移動したことが分かった。
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