研究分担者 |
海野 進 静岡大学, 理学部, 助教授 (30192511)
高澤 栄一 新潟大学, 理学部, 助教授 (80222082)
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 教授 (60200169)
水田 敏夫 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80094051)
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 教授 (30126164)
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研究概要 |
平成12年12月〜13年2月に渡って地質調査を行い,以下の成果を得た. 1.上部マントルのかんらん岩の岩石学的・構造学的調査により,レールゾライトからハルツバーガイトに渡る広い岩相変化,組織の分布からみた変形履歴,鉱物の結晶構造の変化,マイロナイトの成因などが判明した.また白金族元素の濃集したクロミタイトが発見された. 2.後期貫入岩体に関連のあるピクライト玄武岩に伴うコマチアイト様超マフィック噴出岩が発見された.現在,その詳細な性格付けを急いでいる. 3.海嶺セグメント中心部の派生的なマグマ溜りの周辺部にノーライトが貫入し,岩脈群の一部が輝石グラニュライト相までの変成作用を受けている.またマグマ溜りルーフゾーンの構造と進化過程が判明した. 4.上部溶岩の単斜輝石斑晶の化学組成を精密に測定し,3種類に分類し,各々の成因の概要を明らかにした.またボニナイトを発見した.さらに,オブダクション期に活動したサラヒ火山岩類について予察的なデータを得た. 5.バチナ・コースト地域のグゼイン鉱床の生成環境の鉱床学的・地球化学的検討を行い,その詳細を明らかにした.すなわち,変質玄武岩中の緑泥石に熱水から亜鉛,ニッケルが選択的に固定し,鉱体ではこれらに成分に乏しくなった.また,オマーン・オフィオライトの熱水形成では水/岩石比が20程度で2〜4という理論値をはるかに上回っていることが明らかになった. 6.玄武岩〜ドレライトの変成作用,特にプレーナイト-アクチノ閃石相内の温度構造を考察し,変成温度が層序的に下位に向かって上昇していることを確認した. 7.メタモーフィック・ソールの変成・変形構造を調べることで,沈み込み帯におけるマントルウェッジ直下からの距離と変形変成作用の関係を示した.その結果,マントルウェッジ直下から数十m以内で,塩基性角閃岩は,多様な流動形態を示すことがわかった.
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