研究課題/領域番号 |
11691135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
西山 樟生 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50164611)
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研究分担者 |
坂元 眞一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核科学研究所, 助手 (50215646)
髭本 亘 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90291103)
門野 良典 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10194870)
鄭 旭光 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40236063)
秋光 純 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80013522)
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キーワード | ミュエスアール / 直流状ミュオンビーム / 銅酸化物 / 重い電子系 / セリウム化合物 / 負ミュオン / 準位交差法 / 負ミュオン移行反応 |
研究概要 |
トライアムフ研究所(カナダ)において、直流状ミュオンビームを用い、国内の高エ研機構中間子科学研究施設のパルス状ミュオンビームと相補的な高分解時間の実験を行った。実施した課題は以下のようなものである。 ミュオン水素同位体間での負ミュオン移行反応の実験、負ミュオンをプローブとしたセリウム化合物の磁性研究、高品質の単結晶を用いた銅酸化物の磁性の研究、高濃度近藤系の四重極長距離秩序化をミュオンの準位交差法によって求める試みを行った。負ミュオン移行反応の実験は検出器、実験装置の組み立て、データ収集系等の整備などの後予備実験に成功し来年本格的な高統計精密実験を行う予定である。負ミュオンによるセリウム化合物の実験では、まずセリウム単体中で負ミュオンのスピン回転信号を捉えることに初めて成功した。セリウムは4f電子の遍歴性が強く特に化合物で極めて多彩な現象を示すにも関わらず核磁気モーメントを持たないためNMRが利用できず、微視的なプローブとして負ミュオンの有用性が期待されていたが、来年からは化合物の磁性研究に着手できる見込みがついた。銅酸化物(CuO)の磁性の研究では、単結晶を用いることにより、反強磁性相において、正ミュオン位置における局所場の大きさのみならず、向きまで含めた温度変化を得ることに始めて成功した。銅酸化物の構造と磁性の解明するべく理論的計算が進行中である。高濃度近藤系であるCeB6に関しては四重極長距離秩序を正ミュオンによる準位交差法によって検出しようという野心的な試みであったが、ボロン原子核モーメントによる四重極位交差共鳴からのずれは検出できなかった。さらに重い電子的性質を示すLiZnV2O4において磁気的状態が発現していることを見い出した。
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